ミシンの押え圧調節機能は必要なの?正しい調節の仕方とは

ミシンの押え圧調節機能は必要なの?正しい調節の仕方とは

皆さんは、「ミシンの押え圧」って調節していますか?

A:「当然!」
B:「何それ?  知らなーい」
C:「付いてるけど、いつもおんなじ~」

用途により押え金の交換はするけれど、押え圧の調節までしない方って意外と多いんですよ。存在すら知らない方や、持っているミシンには圧力調節の機能はあるけれど、ずっと購入した時のまま(ふつう)で使っている方も多いようです。

ちなみにミシンの種類によって、調節できない物/5段階くらいで調節できる物/無段階で調節できる物などいろんなタイプがあります。

押え圧の変更できるミシンの売り言葉は「厚物から薄物まで布地に合わせて美しく仕上げます!」ですね。

「薄い生地は圧力を弱く・厚い生地は圧力を強く」とよく聞きますが、ニットは弱めて縫う方が良いなど、これにあてはまらない場合もありますね。

取説にもその辺のノウハウ的な説明は書いてありません。

今日は、まだダイヤルに触れたことの無い方の為に、ミシンの押え圧の正しい調節の仕方について解説します。

押えの役割とは

そもそも押え金具の役割とは何でしょうか?

ミシンには色々なタイプの押え金(アタッチメント)がありますが、押え金がないともちろん縫製が出来ませんよね。

押え金には、縫製する際生地を安定させる役割、そして送り歯に生地を密着させ、スムーズに生地を運ぶ役割があります。

ところが、生地は厚みも素材も多種多様のため、伸びたり縮んだり、滑ったり滑らなかったりしてこちらの思うようには進んでくれません。

そこで押さえの圧力を調節してやる必要があるのです。

なぜ、生地の厚みで圧力を変えるの?

  • 薄い生地・・・圧力を弱く
  • 厚い生地・・・圧力を強く

良く聞くのが、上記のように生地の厚みにより圧力を変える説明ですね。

これって何だか逆なような気がしませんか?「生地が厚くなるんだから、圧も弱めてあげないと生地が苦しくなるような・・・」

そう思ったのは、私だけでしょうか・・・

でも、そうじゃないんですよね。下記のように解釈すると解りやすいです。

ポイントは、下についている送り歯が上手く生地を引っ掛け運んでくれるかどうかです

薄い生地の場合は、比較的引っかかりやすい生地が多く、軽く押さえただけでも十分生地を運んでくれます。そして薄い=繊細な生地が多い為、強く押え過ぎると生地に痕が付いたりして傷めてしまいます。よって圧力を弱めると良いのです。

逆に厚い生地は、硬くて送り歯が引っかからない生地が多く、押えが弱いと生地の表面で滑って上手く運べません。ですからある程度強く押さえて送り歯に引っかかるようにしてやります。

 

この原理が解ると、うまく裁縫できない時、押さえ圧の調節によって対処出来たりします。

 

例えば、縫製工場でも目飛びやパッカリング(縫い縮み)と言う不良がありますが、上下生地の送る量が異なる場合には押さえ圧で調節します。

また、家庭用ミシンでニットソーイングをする方が押さえを緩めるのもこの原理です。(滑りの良いテフロン押さえとの併用により更に効果が出ます。)

 

これからミシンを購入される方、ちょっと高くはなりますが「押さえ圧調整機能」のことも知っておいた方が後々後悔しないかも知れません。洋裁では下記の様なトラブルで悩むことって結構あります。

また今のミシンに押さえ圧調節機能が付いているのでしたら、ダイヤルを回してみましょう。思わぬ新発見があるかも知れませんよ。

症       状押さえ調節ダイヤル
生地に送り歯の痕が付く弱めて下さい
縫い目にしわがよる
布が伸びて波打ってしまう
下の生地だけどんどん進んでしまう
生地が滑って進まない 強めて下さい
布を送らない

押え圧調整だけで対応できない場合はどうすればいいの?

それでも解決しない場合は、「テフロン押え」を使ったり、滑る工夫をしたりします。

ただ、下側の送り歯だけで送りますのでどうしても下側の生地が先に進みますよね。

そんな時には「上送り押さえ」を使用するのも良いでしょう。上側も送ってくれる優れものです。

メーカーによりウォーキングフット、送りジョーズとも呼ばれます。なお 同じメーカーでも機種によって数種類のタイプがありますので購入時は注意して下さい。

ブラザーウォーキングフットを探す
ジャノメ送りジョーズを探す【ローシャンク/ハイシャンクに注意】
JUKI上送り押さえを探す

 

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