正しい水通しの方法について。やっぱり水通しはした方が良いの?

正しい水通しの方法について。やっぱり水通しはした方が良いの?

皆さんこんにちは
ハピメイド手芸洋室のmichiyoです。

毎年、入園入学グッズの時期になると必ずご質問を受けるのが、水通しの必要性についてです。

 

「水通しってどうしてもやらないとダメなの?」

初めての方は疑問に思いますよね。

今回は水通しの必要性と方法についてご説明します。

 

意外と知らない、水通しの目的とは

何でもそうですが、目的がはっきりすれば必要性も見えてきます。

一言で水通しと言っても、それぞれ色々な意味や目的があります。

ケース1 タオルの水通し

タオルなどは新品を使用する前に、まず洗った方が良いと言われていますよね。

これはタオルについた糊を落とす為です。

 

糊は繊維を保護したり加工しやすくために付けているのですが、タオル完成時コストの問題で糊を落とさないまま販売するケースが多いです。

糊を落としていないタオルは、水をはじき、タオルとしての本来の目的である汗や水を吸い取る役割を果たせません。

そのため、一度水通しをしてから使用すると良いと言われています。

 

この際の水通しとは通常のお洗濯で構いません。

もちろん最初の水通しをしなくても、洗濯を一度すればその後は問題ありませんよね。

ケース2 赤ちゃん衣類や肌着の水通し

次に赤ちゃんが身に付けるものはどうでしょうか。

これも最初に水通しを推奨している場合が多いですが、これは糊を落とす目的と共に、ホルムアルデヒド(ホルマリン)除去の意味があります。

日本では、特に出生後24ヶ月以下の乳幼児を対象として含む製品には、ホルムアルデヒドについて厳しい規格を設けています。

もちろんメーカーも気を使っており、赤ちゃん用の衣類などが密閉された袋に入っているのはその為です。

ただ、ホルムアルデヒドは空気中で移染されるため、お店で袋から出して展示されていたり、自宅で長期間放置されると意味がなくなります。

どの程度実害があるかは個人の体質に左右されますが、可愛い赤ちゃんの為ですから、ひと手間かけて優しくする意味でも水通しはした方が良さそうですね。

ホルムアルデヒドは水に溶ける為、実害のないレベルに洗浄されます。

こちらの水通しも同じく洗濯機で問題ありません。

ケース3 入園グッズ生地の水通し

さて本題の入園入学グッズですが、これらの水通しの目的は何でしょうか?

そう、第一の目的は折角苦労して作った完成品が、縮みにより小さくなるのを防ぐ事です。

「お気に入りの服が洗濯で縮んでしまった」などとよく言いますが、生地は洗濯により縮みます。

洗濯を重ねるうちに縮まなくなってきますので、まず一回水通しをしてある程度縮ませてから作成した方が寸法に狂いがないと言う訳です。

 

第二の目的は色落ち、色移りを防ぐためです。
例えば新品のデニムと真っ白のTシャツを一度に洗濯したら、Tシャツが青く染まったなどと言う事がありますね。

バッグも同じことが言え、お洗濯時バッグ内で色が混ざる可能性もゼロではありません。

又、生地によっては、「雨が降ってバッグが濡れたらお洋服に色が移った」などと言う事も考えられます。

 

では、水通しは必須か?ですが、これはケースバイケースです。

ちなみに当店は、特にご依頼がない場合、水通しは行っておりません。

(実際依頼されるお客様は、1%にも満たないですね)

 

どうしても寸法を維持したい。1~2センチの誤差も影響するような場合には、水通しをされた方が良いかも知れません。

当店で製作したものも、3年くらい使用するとその程度は縮みます。例えば、お道具入れなどを全く余裕なく製作した場合などは、入らなくなることもあり得ます。

ただし、普通はある程度余裕を持って製作しますので、そうした心配は無用でしょう。

 

また、麻やガーゼなど縮みやすい素材(厳密には種類だけでは判別出来ませんが)を選んだ場合も、水通しを検討した方が良いかも知れないですね。

 

なお、濃いデニム生地や、粗悪な海外品(海外=粗悪ではないですが)の場合も色落ちなどがご心配でしたら水通しをした方が良いです。

※色落ちが不安な方はこちらの記事もご参照されると良いでしょう。

尚、生地を水通しする際は、通常のお洗濯と同じやり方はしない方が良いです。

後で、縫うときに後悔することになります。

 

それでは下にお奨めの水通し方法を記しますのでご参考下さい。

水通しの方法

①生地を裁断する。

大きなままでも良いのですが、生地が数メートルもある場合には、事前に(仕様寸法のある程度大きめに)裁断するとやりやすいです。

 

②生地の切り端を処理する。

耳以外の部分(生地の切れ端)の処理がされていない場合は、出来ればロックをかけましよう。特にサイズがギリギリの場合は端が解れて使えなくなる場合もありますので注意が必要です。

生地サイズに余裕がある場合は、特に不要です。

 

③ 滲みを確認する。

まず、少量の水をかけて色がにじまないか確認しましょう。もしこの段階で滲むようならかなりの粗悪生地ですので諦めましょう。

 

④水に浸ける。

洗濯機や浴槽、タライなどの大きなものに水を張り、生地を水につけます。生地の中までしっかりと水を浸み込ませましょう。

「浸水時間の目安」

  • ガーゼなど30分
  • 綿生地 1時間
  • 麻生地 4時間

 

⑤脱水する。

脱水機をかける場合は軽く(ゆっくりと)水が滴らない程度まで、またその機能がない場合は手で押さえる感じで脱水します。

軽くしわを伸ばして陰干しします。(その際は中表にします)

間違っても直射日光には当てないようにしましょう。

乾ききる前に次のステップに行きます。

 

⑥地直しする。

半乾きの状態のままアイロンをかけます。乾き過ぎたと思ったら適度にスチームや霧吹きを利用して下さい。

アイロンをかける前に、生地を45°の正バイアス方向に引っ張り生地を整えます。これを地直しと言います)

地直しの詳細は、こちらの記事をご参照ください。

 

どうでしたか。

入園入学アイテムの作製で、「水通しは必須」と説明される方もいらっしゃいますが、それは随分昔の習慣(教本)の名残です。

実際、国内メーカの入園・入学向けの生地でしたら色落ちの心配はほとんどありません。

縫製についても、不慣れな方は水通しをしない方が断然やりやすいでしょう。

元々生地は糸の集まりですので誤差はつきものです。寸法にそこまでこだわらなくても良いのなら水通しは無くても大丈夫だと思いますよ。

 

 

ダメダメ!「勘違い水通しの悪い例」こんな水通しはやめましょう(笑)

  • 買った生地数種類を全て一緒に水通しする。
  • いきなり洗濯機でぐるぐる回す。
  • 真夏の太陽の下で気持ちよく乾かす。

 

それではまた・・・

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