ハーバリウムの液体(オイル)比較、あなたにお勧めなオイルの選び方
皆さんこんにちは
先月、ハーバリウムの認定講師になりましたmichiyoです。
ハーバリウムは誰でも簡単に手作りできますので、出来るだけ多くの方に魅力をお伝え出来たらと思います。
自分で実験して分かったことなどについても少しずつご紹介しますね。
ハーバリウム作りに最低必要な材料は
- 液体(オイル)
- 容器(ガラスビンなど)
- 花材(ドライフラワー、プリザーブドフラワーなど)
の3点です。
今日はハーバリウム作りの基本とも言える、オイルについてご紹介します。
ハーバリウムに適した液体とは何でしょうか?それぞれの特徴とあなたに適したおすすめオイルをご紹介します。
ハ―バリウムの中に入っている液体は何?
ハーバリウムの中身は企業秘密とされていた時期もありますが、今では多くの専用オイルが市販されています。
ハーバリウム専用に開発されたと言うよりは、ハーバリウム作りに適していると考えた方が良いかも知れませんね。
適している理由には下記のようなポイントが挙げられます。
◎ 作りやすいこと
- 適度な比重(花材が浮かない)
- 適度な粘度(花材が動かない)
◎ 見た目がきれいなこと
- 透明度が高い
- 光を真っすぐに通す(容器と同じ屈折率)
- 変色・色落ちしにくい
- 低温でも白く濁らない
- 気泡が残らない
◎ 寿命が長いこと
- 腐りにくい
- カビが生えない
◎ 取扱いしやすいこと
- 無臭である
- 保管に特別な許可が不要
- 安全である(引火点が高い)
これらの特徴は、最もメジャーな液体である水と比較すると分かりやすいですね。
ハーバリウムを作っていると、花が浮いてしまうことがあります。
花にも浮きやすいものと浮きにくいものがありますが、実は液体自体の比重(密度)も大きく関係しています。
つまり花材が浮きにくくする為には、比重の低い液体を選べば良いのです。
オイルは水に比べて比重が小さく、花材が浮きにくくなります。
同様に水の場合は、ビンを動かしたときに中で花材が動いてしまいます。オイルのように適度な粘度があることにより花材も動きにくくなり、また作製もしやすくなります。
例えば身近なもので、水→オレンジジュース→サラダ油→オリーブオイル→ガムシロップなど異なる液体に花を入れたことをイメージすると分かりやすいでしょう。
オイルでしたら比重や粘度も様々なものが作られていますので、花材やレイアウトの好みに応じて使い分けもできるという訳です。
また、水は腐ったりカビが生えたりしますが、オイルを使用することにより寿命も長くなります。
後は、値段とも相談になりますが、出来るだけ透明で不純物がなく、色落ちしにくいオイルが良いですね。
純度の高いオイルはガラス容器と屈折率が近くなり、まるで花材をガラスで固めたかのように見えます。
このことが、ハーバリウムの見た目にも大きく影響しています。光は真っすぐに透過する為、お花がより神秘的な輝きを放ちます。
材質 | 屈折率 | 特徴 |
空気 | 1.00 | ほとんど曲がらない |
水 | 1.33 | 曲がる |
ガラス(ビーカーなど) | 1.48 | 水よりも曲がる |
ミネラルオイル | 1.48 | ガラスとほぼ同じ |
またオイルという性質上、安全なものを選ぶのが重要です。
シーン別おすすめオイルの選び方
同じ専用オイルでも、それぞれ特徴があります。ハーバリウムを作製する目的、コスパなどに応じて自分に合ったものを選んでみましょう。
◆クオリティを高める
「どうせ作るなら、美しいものを作りたい」
趣味だけではなくプレゼントしたい、あるいは販売も視野に入れるなどの場合にはシリコンオイルをお勧めします。
今回説明する中では、価格帯が高くプロが好んで使用するオイルです。
プリザーブドフラワーでも色落ちしにくく、寒冷地でも白く濁ることがありません。
アレルギー体質でないかぎり皮膚についても基本問題はありませんが、シリコーンは滑走材にも使われるように床にこぼすと大変滑りますので注意が必要です。
こちらは、講座でも使用したシリコンオイルになります。
粘度350#はメープルシロップのような粘り気をイメージすると良いです。
また、同商品のSDS(安全データシート)はこちらから入手できます。
ハーバリウムやオイルを空輸する際には印刷しておくと良いでしょう。
◆ご家庭で楽しむ
「とりあえず個人用で綺麗なものを作製したい」
さらにはコスパも重視したい方にはミネラルオイル(流動パラフィン)の使用をお勧めします。
粘度はシリコンオイル同様に選択することができ、比重は小さいため花材が浮きにくくなります。
こちらも肌についても全く問題ありません。
透明度も高く使いやすいですが、シリコンオイルと比べるとどうしても花材の色が落ちやすくなります。
また冬季、気温の低いところでは白く濁ります。
こちらは教室などでも使われることが多い浮游花のハーバリウム専用オイルです。例えば先に紹介したシリコンオイルが1Lだとすると、同じ値段で2L購入することができます。
下記は詰め替え用ですが、500ミリリットルと2リットルのペットボトルがあります。
こちらも粘度350#で非常に使いやすいです。
同商品のSDS(安全データシート)はこちらから入手できます。
◆雰囲気を楽しむ
身近にあるものを代用したり100均でも購入出来そうなものを挙げてみました。工作などとして安く楽しむには悪くないかも知れません。
- ベビーオイル
- グリセリン
- 洗濯のり
専用液が広く認知されるようになるまでは、いろいろな方が上記で試されていますので参考にされると良いでしょう。
ベビーオイルはミネラルオイルを主成分としていたとしても、その目的上いろいろな成分を混ぜていますので、ハーバーリウム作りに最適とは言えません。
また100均でもベビーオイルは入手できますが、そもそも50㎖などと量が少ないため、一定量の購入なら純度の高いミネラルオイルを探した方がお値段もお安くなります。
オイルは混ぜても大丈夫?
複数のオイルを使用する場合、途中で混ぜたい場合があるかも知れませんね。
基本、オイル同士は混ぜても安全面での問題はありません。
但し、絶対にやってはならないことが一つあります。それはシリコンオイルとミネラルオイルを混ぜない事。
混ぜると白濁して元には戻らなくなります。
同じ種類同士でしたら、粘度がことなるオイルを混ぜて使用しても良いです。
2種類の液体がある場合には、ピンセットなども使い回ししないように注意しましょう。
今日は、ハーバリウム作りに最適なオイル選びのご紹介でした。
次回は、ガラス瓶の選び方について紹介します。
それでは、素敵な手芸ライフを・・・