着物(浴衣)の合わせ方、どっちが前? なぜ女性は間違えてしまうの?
皆さんこんにちは
ハピメイド手芸教室のmichiyoです。
和装した女性は凛として、見ていても気持ちいいですね。
でも、せっかくの美しい姿が、着物の左右の合わせ方を間違えていることにより、残念に見えてしまうことがあります。
着付けを頼めば気にしなくて良いのですが、中には浴衣など自分で着る機会もあることでしょう。
「分からなければ、聞けばいいのに」と思えるのですが、どうもそんな単純な理由でもないようですよ。
特に女性は、どうして着物(浴衣)などの合わせを間違えてしまうのか?
そこには現代社会の深い闇が・・・
なんてのは大げさですが、今どきの意外な理由があるようです。
自信のある方も、今一度確認の意味でおさらいしましょう。
着物(浴衣)の正しい合わせ方
~着物の正しい着用とは~
- 男性:自分から見て右衿を先に、左衿をその上に重ねる
- 女性:男性と同じ
着物の合わせ方は、男女ともに同じです。
上記画像の女性が正しい着用の仕方ですね。
この決まりは、すべての着物について言えます。留袖・振袖・訪問着などはもちろん、喪服もそうです。
更には夏祭りなどの浴衣や、温泉旅館の浴衣も同じですね。
もっと言えば、柔道着だって国際ルールで同じように統一されています。
「着物 どっちが前だっけ?」と迷ったら、右利きの人が懐に手を入れやすい方で覚えておきましょう。
さて、正解が知りたかった方はここでおしまい。
ここから先は、なぜ間違える人が増えているのかについてです。
着物の合わせ方、なぜ間違えるの?
- どっちでもいいと、細かいことに気にしていない
- お洋服と混同して覚えている
- 着付け教室、紹介ブログの「右前」の意味の誤解情報
- SNSなどの画像の影響
「そんなの自由、どっちでもいいじゃん」という若者も増えてきたのかも。
それでも、やっぱり着物は日本の文化ですので、意識した方が良いかも知れませんね。
なにより、逆の合わせ方は「死に装束」と言って、文字通り亡くなった時の着方となります。
縁起が悪いと見られますので、ぜひ注意しましょう。
お洋服と混同して覚えている
間違えて見える方で一番多いパターンが、お洋服との混同ではないでしょうか。
お洋服では、男女が下記のように決まっていますね。
- 男性:ボタンが自分から見て右側(つまり左身頃が上)
- 女性:ボタンが自分から見て左側(つまり右身頃が上)
これを着物にも当てはめて覚えて見える方が見えます。混同しがちですが、洋服は後から入ってきた文化。
着物にはあてはまりませんのでご注意を!
ネット情報「右前」の誤った解釈
着物教室などに通われた方は知っていると思いますが、着付けでは「右前」「左前」「下前」「上前」という言葉が出てきます。
その際「着物は右前」と指導されます。
でも多くの一般人は、「右前」と言われると、右側の襟が前方向(つまり上)に来ると勘違いしてしまうのですよね・・・
これでは、全く逆の解釈になります。
着付けでは、最初に体につける方を「前」と表現するのです。
つまり「右前」というのは、右手に持った衿を最初に体につけると言う意味です。そして左手に持った衿がその上に重なります。
このややこしさが誤解を生み、間違った情報が一部サイトで紹介されています。
これらに惑わされた方は、せっかくネットで確認したのに間違えたという、被害者的なパターンですね。
SNS画像の罠
最近は若者を中心に、文字検索よりもインスタなどの画像で情報を得る機会が増えてきましたね。
そこで気を付けないといけないのが、画像反転の罠です。
スマホのインカメラで自撮りすると、画面上は鏡のように反転しています。
画像保存すると、大抵は正面から見た状態に自動で戻して保存してくれます。
でも、一部の機種や、カメラアプリでは反転したままの保存が標準となっている場合があります。
また、個人によっては、意識的に好んで反転画像をUPされる方も見えますね。
でも、そういった画像は着物の合わせも反転して見えています。
過去タレントさんで、着物の反転画像を公開したばかりに、「常識知らず」と揶揄されるケースもありましたね。
でもSNSは気軽に使えるのがメリットですので、一般人はそこまで深読みされないのが普通でしょう。
友達や先輩の反転画像を見て間違えてしまった方も、現代ならではの気の毒なパターンと言えるでしょう。
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日本では着物文化から洋服中心へと移行されましたので、ややこしさが倍増しましたね。
着物も洋服もそれぞれの伝統があり、この決まりになったのにはそれぞれ長い歴史があります。
理由は諸説ありますので解説は控えますが、きっとこの先も、間違える方が出てきますよね。
着物には外見の華やかさのみならず、内面の美しさを引き出す要素があります。
作法を身に着け、品格ある素敵な女性になりましょう。
それではまた・・・