なくては困る糸切ばさみ(握り鋏)選び方とおすすめポイント

なくては困る糸切ばさみ(握り鋏)選び方とおすすめポイント

皆さんこんにちは

ハピメイド手芸教室のmichiyoです。

 

今日は、縫製道具として必要な、握り鋏(糸切ばさみ)をご紹介します。

 

もしかしたら、手芸をやっている方でも、「全く使っていない・・・」なんて方もいらっしゃるかも知れませんが、

私たちにとっては無くてはならない道具の一つです。

各ミシンや、アイロン台の付近には必ず常備していますね。

使用頻度は裁ちばさみよりはるかに多いです。

 

小さいハサミはいくつかありますが、やっぱり糸切はさみは無くなると困ります。

糸切りはさみの良いところは、さっと握ってパッと切れるところです。

構造上、いちいち刃を開く手間がありません。

「はさみを手に取って開く手間なんて一瞬でしょ」と思われるかもしれませんが、他の作業をしながらの動作では結構差がでるんですよ・・・

そして、指先に近いからか、手先の一部のような感覚で使用できます。

多くの方が未だに愛用しているのは、そんな理由からではないでしょうか。

 

和ばさみ、洋ばさみの違いとは

包丁には、多くのご家庭にある三徳包丁から、魚をさばいたりする出刃包丁など、洋包丁/和包丁が分かれていますよね。

これらの代表的な違いは、両刃か片刃の違いになります。

 

はさみにも和洋があるのはご存知ですか?

はさみの場合は形(構造)で分かれています。

  • 和ばさみ・・U字型 握り鋏(糸切はさみ)など
  • 洋ばさみ・・X字型 裁ちはさみ/ラシャはさみなど

U字型のはさみは、別名「和ばさみ」とも呼ばれています。

こんな名前が付いていると、日本で生まれたハサミのように思えますが、残念ながら違うようです。

元々は世界の各地で使われていましたが、今ではすっかりX字型が定番となり、U字型を使っているのは日本だけじゃないかとも聞きます。

刃物の伝統に紡績産業の発展などが加わり、すっかり和の鋏として認知されるようになったのですね。

※洋ばさみの中でも、着鋼の物を和のはさみと表現することもあります。

 

海外ではハサミは使い捨て?

海外ドラマなどで、包丁を研ぐのにやすりのような棒を使用しているのを見かけたことはありませんか?

あれは「ハンドシャープナー」と呼ばれていますが、海外では、日本のような砥石(といし)を使う文化はないようです。

 

日本の刃物は世界的に見ても抜群の品質です。

実際、国内の刃物センターなどへ足を運んでも海外旅行客の姿をよく見かけますね。

実演を見たり、切れ具合を確認して、大変興奮して帰国されます。

でも、その高品質を維持するためには、研ぐ作業が欠かせません。

ハサミにいたっては、研ぐ習慣すらない海外では、せっかくの日本の最高級なハサミを持ち込んでも、「最初は切れ味抜群だけどそのうち錆びて切れなくなった・・・」など、評価が低いケースもあるようです。

でも他国の話とも言えません。

日本でも100均の台頭とともに、使い捨ての文化が広まりましたよね。

ハサミどころか包丁を研ぐ家庭も減ってますね。

 

糸切はさみの選び方

紡績工場の海外移転に伴い、日本で糸切ばさみを製造しているところは少なくなりました。

ハサミに限らず、刃物業界はどこもが後継者不足で悩んでいます。

握り鋏で既存の産地と言えば、小野市(兵庫県)や三条市(新潟県)などでしょうか。

もちろんこれらの職人が作るはさみは「高級品」と呼ばれ、切れ味も文句なしの商品になります。

特にプレスではなく、オーダーメイドなど手打ちされたものは大変貴重です。

 

安いハサミはいくらでも探せますが、長く使いたいか更には研ぐ労力を惜しまないかで判断が分かれると思います。

値段も10倍以上変わってきますので、使用頻度の少ない方は、使い捨て感覚で100均を選んでも良いと思います。

 

以前勤めていた縫製工場では、みんな自前の糸切ばさみを持っていて、切れなくなると各自でグラインダーで研いでいました。

ただ、失敗すると余計に切れなくなるので、最初は勇気がいりますね。

自信のない方は購入店か専門家に頼まれるのが良いでしょう。

 

ところで糸切ばさみにも、たくさんの種類があります。

  • 長さ・・長刃・短刃など
  • 形状・・爪型・片丸・両丸・ソリ刃・腰折など
  • 加工・・イブシ・ブロンズ・ミガキなど

先ずは大きさと先端の形状で好みのものを探しますが、見た目だけで分からないのが、バネの強さです。

握り鋏の最大の特徴は、このバネの力になりますので、特に特殊な使い方をされる方は、触って購入されるのが良いでしょう。

特に握力の無い女性は、握りばさみは苦手と思われるかもしれませんが、いろいろ触ってみて欲しいですね。

また材質の違いや、手打ちなど作り手のこだわりが品質とともに価格を大きく変える違いとなっています。

 

おすすめの糸切はさみ

海外でも人気の最高級はさみ

先ずは、国内最高峰の握りばさみを紹介します。

世界でただ一人の職人と言われている水池長弥(おさみ)さんの作品です。

減産の一途をたどる刃物業界の中でも、何とか後世に技術を継承したいと生き残りをかける播州刃物(兵庫県)。

水池さんはその中でも、握り鋏を手打ちで作れる職人として日本でも最後の一人と言われていました。

 

101シリーズはプロデューサーの小林さんが、長い歴史で完成された播州刃物に1%だけ加えたシリーズでデザインもおしゃれなものです。

鍛造タイプは、何度も研ぎながら代々受け継いでもらいたいものです。

最高級のギフトとしても申し分ないですね。

〇鍛造タイプ(利器よりも粘りがあり長く使えます)

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プロにも信頼のナス印はさみ

つづいてはナス印の糸切はさみです。

私の住む地方は名古屋に近い事もあるのでしょうか、たくさんの縫製仲間が「やっぱナス印じゃないとダメよねー」といい、私も愛用しています。

大島祥三郎商店さん(現在は株式会社ナスコム)が仕入れていたもので、こちらも兵庫県で作られていたようです。

十分高価ですが、まだ手の届きやすい範囲かも。

在庫がどれほどあるか分かりませんが、安心して使える握りばさみです。

 

幅広いラインナップのハサミ専門メーカー

続いては兵庫県小野市のはさみ専門メーカー、美鈴ハサミ株式会社の握りばさみです。

こちらは200円の安価な物から4,000円程度の高価なものまで、豊富なラインナップがあります。

下記は、その中でも中級クラスで、錆びにくいイブシ加工が施してあるタイプです。

美鈴さんのハサミは私も何種類か愛用していますが、予算に応じて幅広くおすすめできます。

 

手元に置きたいおしゃれなハサミ

こちらは手元に置いておきたい、何ともかわいいハサミです。

品質も安心の庄三郎はさみに松島組紐店さんの伊賀くみひもが、一丁一丁手巻きされています。

こういうのにワクワクしちゃうのは私だけじゃないと思います。

良い道具は創作意欲もかきたて、テンションも上がりますよね。

日本らしい逸品でずっと大切にしたいですね。

 

需要がなければ廃れていくのは、どの産業も同じですが、こうした優秀な刃物がなくなっていくのは寂しい限りです。

先にご紹介した水池さんにも、最近になってお弟子さんが出来たと聞きますが、地域産業としてもどんどん盛り上がって欲しいものです。

 

私も、手芸の魅力を少しでも広げなければ・・・

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