ミシンの返し縫いの時に下糸が絡まないやり方とは
ミシンの返し縫いの時、下糸が絡まる(ダマになる)ご相談を受けることがあります。糸調子は悪くないはずなのですが、縫い始めの返し縫いの時に発生します。また出たり出なかったりで、気にしていない方も多いようです。
下に、ちょっとひどい糸ダマを再現してみました。作品の中に入る場合はともかく、巾着の袋口など、表に出る場合はさすがに気になりますよね。
今日は、ミシンの基本作業「返し縫い」とは何か?また、返し縫いを綺麗に行う方法についてご紹介します。
返し縫いとは何か
裁縫では返し縫いと言う用語があります。
これは、手縫いの場合と、ミシンの場合では意味が少々異なります。それではおさらいも兼ねてまとめます。
手縫いの場合の返し縫いとは
手縫いの場合の返し縫いとは、縫い方の種類を指します。
基本の並縫いに対し、より丈夫にしたい場合下記の縫い方をします。
- 返し縫い・・・縫い始めと縫い終わりを丈夫に縫製したい場合。
- 本返し縫い・・・全体を丈夫に縫製したい場合。
- 半返し縫い・・・全体を丈夫に縫製したい場合。
縫い方の詳細はこちらを参照下さい。
ミシンの場合の返し縫いとは
ミシンの場合の返し縫いとは縫い始めと縫い終わりに重ねて縫う事をいいます。
特別な場合を除いて必ず必要な作業です。
ミシンの場合は、端を玉止めしていない為、そのままにすると、端からどんどんほどけてきますよね。これを防ぐためには、縫い糸の端を上から押さえる必要があります。端を2~3重に縫う事により、糸がほどけなくなります。
返し縫いを綺麗に行う方法
さて、それでは本題ですが、返し縫いの縫い始めの際、下糸が絡まる(ダマになる)問題についての対処法です。下記の症状の場合にお試しください。
- 返し縫いの、縫い始めのみダマになる
- 毎回ではなく、たまに起こる。
- 糸調子は合っていて他の縫い目は問題ない。
これは、自動糸切り機能付きミシンに良く起こり易い症状です。
原因は、上下の糸のふらつきにあります。
上糸が短く不安定な場合に起こり易いです。
上糸を押さえ金具で踏むか、指先で押さえて糸をピンと張った状態で縫い始めると良くなります。
それでもダメな場合は、下糸を同じように出して縫い始めて下さい。
画像は左後方へ出していますが、右でも構いません。