生地に糸の固まりがあるんですけど!「ネップ」って何?にお答えします。
皆さんこんにちは
ハピメイド手芸教室のmichiyoです。
お洋服作りなどをしていると、生地の一部に糸の固まりのようなものがあって、嫌な思いをしたことはありませんか?
「えっ、何これ、もしかして不良?」
・・・って、もう裁断して作り始めちゃっているし・・・嫌だな~なんて苦い経験もあるかも知れませんね。
このつぶつぶの様な糸の固まり、専門用語では「ネップ」と呼んでいます。
これ、「不良なんだけど大目に見てよ(お願い)」みたいな、ちょっと厄介なものなんです。
今日はそんなネップについてご紹介します。
ネップとは
ネップとは、一言で言うと、糸を作る際にできた節(ふし)の事を言います。
そもそも糸には、始めから長い蚕の繭のようなものと、綿花などの短い繊維をつないで長くするものの2種類があります。
前者を「長繊維」、後者を「短繊維」と呼んでいますね。
紡績工場では、綿花や羊毛などの小さな繊維をほぐし、向きを揃えながら伸ばしていきます。
そして途中、コーミングと呼ばれる工程で、糸を均一に揃えています。
髪の毛を櫛(コーム)でとかすのを、イメージすれば良いですね。
ところが条件が異なる自然なものが相手の場合、均一な太さに揃えるのはそんなに簡単なことではありません。
途中で除去できないものが、どうしても残ってしまいます。
そしてこの不均一な糸が、織った生地の表面に出てくるのです。
当社でもたくさんの生地を扱っていますが、天然素材の生地にはどうしてもこの「ネップ」が多く含まれます。
特にリネン(亜麻)等にはこのネップが多くみられますね。
よく見ると糸も、太い糸や細い糸が混ざって織られているのが分かります。
業者さんに聞いても、性質上ネップを無くすのは難しいようですね。
生地屋さんの説明でも「ネップは風合いの一つとしてお楽しみください・・云々」的な表現が多くみられます。
ネップは不良なの?
ネップは不良なのでしょうか?
例えば企業間の取引の場合はさておき、個人がネップを理由に返品・交換を求めるとかは難しいと思います。
先に説明したように、生地の性質上、ある程度は含まれることを前提として流通しているからです。
アパレルメーカでも、多くの場合はそのまま縫製して製品として出荷します。
但し程度によっては、検品時にB品(訳あり品)として出されることもありますね。
ネップヤーンとは?
少し話はそれますが、ネップつながりとしておまけです。
毛糸の中に「ネップヤーン」と呼ばれる糸があります。
これはファンシーヤーン(意匠撚糸)の一つで、糸に装飾を持たせることにより、完成品に独特の風合いを出す効果があります。
わざと節を付けているんですね。
他にも大きな節の「ノットヤーン」や、なだらかな節の「スラブヤーン」など、このつぶつぶって結構人気なんですよ。
私も自然な風合いが好みで、良く編物に使っていました。
麻や綿は天然素材で、自然な風合いがその特徴です。
自然なものだからこそ、不均一なんですよね。
こう解釈すると、ネップにも愛着が湧いてきませんか・・・
今日はネップについてのご紹介でした。
それでは素敵なソーイングライフを・・・