刺繍ワッペンを自作しよう!オリジナルワッペンの作り方とヒートカットの基本
皆さんこんにちは
ハピメイド手芸教室のmichiyoです。
いきなりですが「刺繍ミシン」って楽しいですよね。
糸さえセットしてあげれば、後は自動でタタタターーーーって勝手に動いてくれます。
高速な物だと、1秒間に20針も縫うんですから、恐ろしいスピードです。
今でこそ私も放ったらかしにしていますが、最初に始めた頃は、ずっと楽しくて眺めていたものです・・・
今日はそんな刺繍機を購入すると始めたくなる、ワッペン(アップリケ)の作り方についてご紹介します。
ワッペンって多くは周りを、サテンでかがってありますよね。理由はデザイン的な要素に加え、ほつれ止めの意味もあります。
この縁取りには、2種類の方法があるんですよ。
- ロックミシンでかがる方法
- ヒートカットする方法
「ロック加工」の方がどちらかと言えば、綺麗に仕上がります。でも解れやすかったり、自由な形にできないなどのデメリットもありますね。
そして第一、巻きの出来るロックミシンがないと出来ません。そして、そこそこのテクニックも必要です。
一方「ヒートカット」は自由な形にカットできるのが特徴です。極端に尖がっていたり凹んでいても大丈夫!
要するにハサミでギリギリにカットしようとすると、糸まで切っちゃう可能性が大。だから糸は残しつつ、母材だけを熱で切り取る訳です。
市販されているものの大半は、こちらの方法になりますね。
また初めてでも簡単に始められるのも、ヒートカットの良さですが、注意することが何点かあります。
それでは先ず、必要な道具から見てみましょう。
ヒートカットに必要な道具
ワッペンのカットには先ず「ヒートカッター」とか「マークカッター」と呼ばれる道具が必要です。
はんだゴテと全く同じ形状ですが、ワット数が若干弱めでで作られています。後述しますが、温度調整が出来るようにコントローラーと併用して使用すると良いです。
例えば下記の3点で、大体4,000円程度で購入できます。
あとはガラスの作業台があれば良いです。なければ賞状の額など、身近なもので代用しましょう。
ヒートカットできる材料の選び方
良く、初心者にありがちな失敗として、普通の刺繍でそのままカットを始める方が見えますね。
ヒートカットは文字通り、熱で溶かしながら切断しますので、材料も溶ける(あるいは溶けない)ものを意識しなければなりません。
母材の選び方
化学繊維〇 ポリエステル100%など
ワッペン作りに良く使用されているのがフェルトです。
適度な密度と厚みがありますので、刺繍初心者でも扱いやすい素材ですね。
(トップの画像の物もフェルトで作製しています)
フェルトは手芸店など、どこででも手軽に購入できますが、材質選びには注意が必要です。
一番多く見かけるのは、ウール60%+レーヨン40%の混合タイプです。これらはヒートカットが出来ません。
購入する際は、ポリエステル100% のフェルトを選びましょう。ウォッシャブル(洗濯可)と表記してあるものがこれになります。
又、ワッペンを作るには「エンブクロス生地」もおすすめです。
色も豊富で目が細かく光沢があり、刺繍に向いています。また畳状になっていますので、全面を刺繍しなくてもそれらしく仕上がります。
ナイロン100%、ポリエステル100%などは共にヒートカットできます。
他にもツイル生地がありますが、こちらも生地屋さんで売っている綿100%ではなくてポリエステル100%を選んでください。
刺繍糸の選び方
レーヨン〇
家庭用刺繍ミシンでよく使われるのは、ブラザーの刺繍糸「ウルトラポス」&「カントリー」ですね。
これらは強度があってつなぎ目も感じない為、家庭用として設計されているミシンの刺繍用としてはすごく使いやすい糸です。
でも何れもポリエステル100%なので、熱に弱くヒートカットでは使用できません。
糸が溶けて切れたら困りますからね・・・
ヒートカットする外周のサテンには、レーヨン100%やキュプラ100%などの熱に強い糸を選びましょう。
レーヨンとは絹に似せて作った再生繊維です。
例えば「ウルトラポス」はオゼキ㈱の商品ですが、こちらからはレーヨン100%の糸として「ワイヤ」というブランドがあります。強度は落ちますが熱には強い糸です。
他にも刺繍業界ではパールヨット㈱などのレーヨン糸が有名です。家庭用機では切れやすいかも知れませんが、シリコンスプレーなどを併用して使用すると良いかもしれません。
パールヨット 刺繍ミシン糸 レーヨン 120/2 2000m-1
下糸の選び方
カタン〇
下糸も上糸同様に、セットで変える必要がありますね。
結構忘れてしまいがちなので要注意!
熱に強い糸として、良く利用されるのはカタン糸です。カタンについてはこちらでも特徴を説明します。
ヒートカットのやり方とコツ
先ずは、母材に 破れない接着芯 を貼り、刺繍をしましょう。
外周のサテンだけは糸を上下とも変えましょうね。(そんなに強度が要らなければ、全部レーヨンでもOKです)
必要に応じて、裏面にアイロン接着シートを貼ります。
さて、いよいよカットです。
カットを上手に行う為には、ある程度の慣れが必要かも知れません。
先ず、コテ先は細くて、少し曲がったものがやりやすいです。
温度は高すぎず、低すぎず・・・何とも曖昧な表現ですみませんが、その為にも微調整できるコントローラをおすすめします。
要らない部分で、試しながら温度調整しましょう。
(私は上の道具で紹介した、写真の位置くらいでやることが多いです)
あとは、途中で止めないように一気にカットします。途中で止めるとそこだけ変な跡が残ります。
私は、コテは少ししか動かさずに、母材をガラスの上で滑らす感じで回していますね。
母材と刺繍糸の色を近づけると、境が目立たずに綺麗に見えます。
ちなみに上記の画像は、お客様のオリジナルデザインの刺繍です。
wordでデザイン(自作)されたそうですが、すごいですよね・・・。
PDFで頂いたファイルを、刺繍ソフトに読み込んで作製してみました。
こんなオリジナルのワッペンが簡単に自作出来ちゃうのも、刺繍ミシンの醍醐味ですね。
便利なものです・・・
ちなみに刺繍ソフトって、上記を見てもらえば分かるのですが、結構高いですよね。でもプロが使うソフトはそれ以上で、100万円を超えるものも珍しくありません。
そう思うと、このお値段でこの機能はかなり充実していると思えますね。
今日は、刺繍ワッペンの作り方(ヒートカット)の基本のご紹介でした。
あとは皆さん色々応用して楽しんでください。
それではまた・・・