カタン糸って知っていますか?カタン糸の特徴と使い方

皆さんこんにちは
ハピメイド手芸教室のmichiyoです。
手芸店などで見かける『カタン糸』
何に使うんだろー?って疑問に思ったことってありませんか?
上記の画像は左が スパン糸 、右が カタン糸 です。
小さなボビンが200メートルのスパン、その100倍の20,000メートル巻きです。
スパン と カタン ?
写真もそうですが、実際手に取って比べても見ただけじゃ見分けはつきません。
(引っ張って切れる強度を比べると解ります)
業務用があるってことは、今でもきっと使い道があるはず・・・
今日はカタン糸にまつわるお話と使い道をご紹介します。
カタン糸って何?
カタンの語源は「コットン」からきていると言われています。
つまりカタン糸とは綿糸のことですね。
昔の人(おばあちゃん世代)は、特にミシン糸の事を「カタン糸」と呼んでいました。当時は綿糸が主流でしたからね。
今でも年配の方は、「ミシン糸=カタン糸」と言う事で、慣れ親しんだカタン糸を購入されるのを見かけます。
でもカタン糸ってミシンで使い難いって聞くけど・・・?
そうですね、カタンは引っ張ってみると解るのですが、割と簡単に切れます。
(特に古い糸は良く切れます)
それだけが理由ではありませんが、今では 強度の高いポリエステルスパン糸に主流は置き換わっています。
例えば糸で有名なメーカーのフジックスで言えば「シャッペスパンミシン糸」がそれになりますね。
実際最近のミシンでは糸調子がとりにくいと言う理由で、カタン糸を推奨しないお店の方も多いです。
ポリエステルスパンはそう言った意味では本当に使いやすい糸だと思います。
それでも慣れ親しんだミシンとの相性で、カタン糸を使われる方は今でもいらっしゃるようですね・・・
カタン糸の特徴は伸度が小さい(いわゆる伸びない)こともあります。
フジックスのホームページのデータを引用させていただくとこんな比較になります。
強度(gf/d) 伸度(%) 絹 4.0~5.0 16~23 綿 3.0~5.0 5~10 ポリエステル 7.0~7.5 17~21 ナイロン 7.0~7.5 24~28
ポリエステルやナイロン糸と比べると伸度が小さく、目飛びの心配がないのも利点です。
又、綿布には同じくらいの強度の綿糸、いわゆるカタン糸の方が布を傷めない・・・という考え方もあるようです。
カタン糸には蝋(ロウ)引き加工された糸もあります。(グレース加工と表記)
こちらはミシンの滑りを良くするために使用されていましたが、手芸店の方のお話では購入される方は更に少なくなったようです。
カタン糸の用途は?
私も、普段の縫製で「カタン糸」を使う事はまずありませんが、違った用途で活躍しています。
ひとつは「染物用」、そしてもう一つは「ヒートカットの下糸用」として。
先ず、縫製したものを後から草木染めする場合、ポリエステルの糸では染まりません。
その為、染物にはカタン糸を使用します。
ヒートカットとは、ワッペンの周囲をサテン縫いしてコテで焼き切る事です。
この際もポリエステル系の糸を使うと、熱で溶けてしまいます。
その為、上糸にはレーヨン、下糸には熱に強いカタン糸を使用します。
昔ながらのカタン糸、家庭用では見かける機会もますます少なくなりそうですね・・・
今日は カタン糸 の特徴と使い方のご紹介でした。
それではまた・・・