糸の寿命は2年、5年、10年、20年・・・?フジックスさんに聞いてみました。
ハピメイド手芸教室のmichiyoです。
いきなりですが皆さん「メルカリ」使っていますか?
先日の上場ニュースの際に知ったのですが、メルカリとはラテン語で「商いをする」という意味らしいですね。
私も娘に教わりながら、これまで何度か出品と購入を繰り返しています。
私はもっぱら売れたお金で違うものを買うサイクルですが、物々交換みたいで楽しいですよね。
フリマアプリ-メルカリ フリマでかんたんショッピング – Mercari, Inc.
主人が良く若い人に、「少額でも投資する習慣を身に着けた方が良い」とか「不用品を売る仕組みを取り入れた方が良い」などと(偉そうなことを)話していますが、どうやら若い世代の方が不用品の処分には長けているようです。
実際、私なんかは物持ちが良くて、断捨離するのにも一苦労ですからね・・・
ところでメルカリには手芸関連のアイテムもたくさん並んでいます。
結構「掘り出し物」的な安いものもあるのですが、中には大丈夫かな~と不安になる商品もありますね。
その一つが手縫いやミシンで使う「糸」。
「これっていつ買ったものなんだろう?」ってちょっと心配になる訳です。
もっとも個人に限らず、回転の少ない手芸店や特殊なカラーの糸などは店頭や問屋さんでも何年も眠っている可能性があります。ですから何もメルカリさんだけが心配なわけではありませんけどね・・。
糸のどこかに製造年月日が書かれていれば参考にもなるんですが、どこにも記載はないですもんね。
という訳で、今日は私が長年疑問に思っていた糸の寿命についてのお話です。
糸に寿命はあるの?
長年縫製に携わってきた立場から言うと糸にも当然寿命があります。
実際、古い糸はどうしても切れやすくなりますね。
おばあちゃんたちの世代の方は常識でしょうが、絹や綿といった天然素材はもろく、古い糸はよく切れていました。
それに比べると、今のシャッペスパンなどの合成繊維は良く出来ていますよね。
世間では何でも天然物が良いように思われがちですが、糸の世界では合成繊維の方が多くの面で優れています。
でも、それとて永久に使用できるわけではありません。
でも糸の寿命については、なぜか商品やホームページにもメーカーとしての記載がありません。
(消費期限〇〇、開封後はお早めに・・・的なヤツとまでは言いませんが目安だけでも分かれば・・・)
そこで今回、長年お世話になっているフジックスさんにお話を伺ってみました。
色々お聞きしましたが、要点をまとめるとこんな感じです。
- 糸の寿命については、保管環境によって全く異なるため目安のご案内が難しいです。
- 合繊の場合でしたら温湿度が管理されて遮光(特に紫外線)された環境下であれば10年20年の保管で特に品質に問題はないと考えます。
- メーカーとして、例えば「製造から何年以上経過したものは廃棄」という基準は設けておりません。
- 天然繊維の場合は合繊よりは劣化しやすいと考えられますが、天然原料ですので個々の品質バラつきもあり、一概に何年以内の保管であれば問題ないとは申せません。
- 工業用の縫糸と家庭用の縫糸では特に寿命の差異はございません。
- 製造日表記はありませんが、社内でトレーサビリィティが取れるように管理はしております。
やはり、保管状態が大きく影響する為、寿命に関するお話は難しいそうですね。
私も糸の保管は、日光はもちろん紫外線の出る蛍光灯の光にも当てないように心がけていますが、温湿度管理まではさすがに出来ていません。
それでもプライベートでは20年以上経過した糸も持っていますが、切れて困ると言う事は無いですね。
ただ、カタンだけはもともと弱いこともあり、古い糸は使わないようにしています。
手縫い糸は、使用前に両手で引っ張って指先でしごく(はじく)ので、劣化したものはこの時点で切れます。
でもミシン糸の場合は直接糸コマをセットするため、劣化に気付かずに使用される方も多いでしょう。
ミシンの糸切れで悩む方は、糸の劣化も疑った方が良いかも知れませんね。
今日は「糸の寿命」のお話でした。
それでは素敵なソーイングライフを・・・