地直しってやらなきゃダメ?生地の地直しの必要性と方法について
皆さんこんにちは
ハピメイド店長のmichiyoです。
読者さんからの質問で、
「地直しってやっぱり必要なのでしょうか?具体的にはどのようにすれば良いいですか?」などと聞かれることがあります。
「最近の生地は品質が良くなっているから地直しの必要がない」という方も見えますが、実際はどうなのでしょうか?
今日は、購入時に先ず行う地直しの必要性についてご紹介します。
ちなみに水通しについてはこちらの記事を参照ください。
地直しとは?
そもそも地直しとは何でしょうか?
生地は「織物」といってタテ糸とヨコ糸で織ったものを言います。
織り方の違いはあるものの、それぞれが垂直に交わった状態が正常であると言えます。
ところが、製造過程や、紙管に巻いたり半折に畳んだりなど、皆さんの手元に届くまでの間で、ゆがんでしまう事があります。
手元の生地を引っ張ってみると解るのですが、生地はタテには伸びにくく、ヨコには伸びやすいんですね。そして斜めに引っ張ると更に伸びやすいと思います。
このようにしてゆがんでしまった状態を、元の正常な状態に戻すことを地直しと呼んでいます。
地直しは必要なの?
「最近の生地は品質が良くなっているから地直しの必要がない」という方が見えますが、実際はどうなのでしょうか?
結論から言いますと、必要のない生地もありますし、必要な生地もたくさんあります。
そして作製するものにもよりますよね。
先ずは購入した生地がどんな状態なのか確認し、必要に応じて地直しをするというステップになるでしょう。
確認方法はタテ糸とヨコ糸の交わり方が垂直かどうかを先ずは見ます。それでは手順を見てみましょう。
生地の歪みの確認と地直しの方法とは
先ずは購入した直後の生地を耳と垂直に裁断してみましょう。
(生地の両端の固いところを耳と呼んでいます)
耳に対し、垂直にものさしを当てた時、プリント柄とかなりずれてしまっているのが解りますね。
それではヨコ糸を一本、するするっと抜いてみましょう。
イメージは下の画像ですが、一度ではなかなか抜けない為、目打ちで少しずつ持ち上げながら、小分けして抜きます。
(やり方はこちらも参照ください) ※ツイルなど綾織の生地は抜けない場合があります。
抜くヨコ糸は一本で十分なのですが、下の画像では見やすくするため端まで全て抜いてみました。
最初垂直に裁断したラインに対し、随分とずれているのが解りますね。
この状態で、タテ糸のはみ出した部分を裁断します。
先程のように垂直になっているか見てみましょう。
プリント柄ともほぼラインが合うようになってきましたね。この状態を「布目を通す」と表現します。
ただよく見ると、画像の下の方で生地がたるんでいますね。
あとは、スチームアイロンを縦方向、横方向にかけながら、このたるみを無くします。
たるみがひどい時は生地を斜めに引っ張ったりして、少しずつ整えましょう。
この一連の工程が地直しです。
つまり、耳と垂直に裁断した時にヨコ糸が真っ直ぐで且つ、たるみもなければ地直しは不要です。そうでなければ地直しは必要と言う事ですね。
プリント柄の地直しについて
上記はソレイアードというブランド生地ですが、ヨコ糸とプリント柄が若干ずれていますね。
一般に、耳の部分に近付くほど、ずれる傾向があります。生地に余裕があれば、ずれの無い箇所で作製するのが良いでしょう。
但し、生地によってはプリント柄と大きくずれてしまっている場合があります。
これは、生地がよれた状態でそのままプリントしているからです。(悪い見本はメーカーも気の毒なので画像は載せませんが・・・)
このような場合は、絵柄に合わせて裁断するしかないですよね。
お洋服を作る場合は、その様な生地は避けた方が良いですが、布バッグやポーチなどを作る分には、生地に多少歪みが合っても、見た目でそんなにおかしくなることはありません。
その形で縫製すると案外馴染んでいくもので、その辺の融通が利くのも織物ならではの利点ではないでしょうか。
逆に言えば、地直しにそこまで気をかけなくても何とかなる・・・という解釈もアリかも知れないですね(笑)
作るものも人それぞれ、こだわりも人それぞれです。
それでは、楽しい手芸ライフを・・・
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