しろも、いろもって何? 裁縫の基本「しつけ糸」の使い方、選び方について
皆さんこんにちは
ハピメイド手芸教室のmichiyoです。
和裁でも洋裁でも本縫いの前に行う「しつけ」はとても重要な作業です。
そしてこの時使用するのが「しつけ糸」
ところで、しつけ糸の使い始めのやり方(取り出し方)が分からない方を見かけます。
今日は仕付け糸の選び方と、使い方についてご紹介します。
しつけ糸って何?
しつけ糸とは手縫い用の糸の一種です。
仮縫い や しつけ の時に使用します。
ちなみに「仮縫い」と「しつけ」って違いは何?同じじゃないの?と思われる方も見えるでしょう。
仮縫いと言う言葉は色々な意味で使われていますね。
ここで言う仮縫いとは、大体どんな仕上がりになるか試しに縫ってみることを表すと思えば良いでしょう。
例えばしつけ糸だけで縫ったお洋服などを試着しながら微修正していくイメージです。
一方しつけは本縫いが綺麗に行えるように生地同士を整える役割を指します。
ですから、しつけは本縫いの品質を高めるための前準備として、とても重要な作業と言えますね。
しつけ糸は後から取り外すことを前提に考えられています。
老舗メーカーの 金亀糸業 さんにお聞きしたところ、『しつけ糸は強すぎても又滑りが良すぎても使い難くなりますので、その点を注意して作っています』とのご説明でした。
ちなみに和裁では外さないしつけ(ぐししつけ)もあります。
また、この他にもしつけ糸は 印付け としても使われています。
「きりび」といい、縫った糸を切って目印にする方法です。
具体的には、目印となる部分を数ミリ残して鋏でチョンチョンとカットします。
複数の生地に一度に印を付ける事が出来る先人の知恵ですね。
私は洋裁士の母に教わりましたが、今でも引き継がれる技法です。
しつけ糸にはどんな種類があるの?
しつけ糸にも他の縫い糸同様、色々なタイプの巻き方があります。和裁用、洋裁用などと明記してあるものもありますが、太さ程度でそこまで気にしなくても大丈夫です。
綛(かせ)タイプ
昔から、よく見られる形で、このようなものを綛(かせ)と呼びます。
和裁用、洋裁用があります。
「どこから使い始めたらよいの?」と初めての方が悩む形がこのタイプですね・・・
【かせタイプの仕付け糸の使い方】
- 使い始める際は、先ずヨリを戻して輪っかの状態に戻します。
- 次に絡まらないように、途中を何か所か止めます。(リボンで結んだり紙を巻くなどしましょう)
- そして結び目のある所をザクッと切ります。
- 輪っかになったところからスルスル~っと一本ずつ抜いて使います。
私はこんな感じで、このまま壁にかけて使っています。
とにかく使いやすい長さで絡まらないように工夫しましょう!
カード巻きタイプ
上記の綛(かせ)よりも少し細くてカードに巻いてあります。和裁用として、綿糸・絹糸があります。
チーズ・コーン巻きタイプ
たくさん使う方におすすめなタイプです。
こちらでは、色々なしつけ糸が探せます。
しつけ糸の色の違いはあるの?
しつけ糸は白もめんが一般的ですがカラーもあります。
色の無いものが白毛(しろも)、色の付いたものは色毛(いろも)と呼ばれています。
色毛(いろも)は白毛(しろも)を染めたもので、糸の強度や伸度に大きな違いはありません。
染色は堅牢染めにより色落ちの心配もなく、アイロンがけを行っても問題ありません。
用途に合わせ、お好みの色を選べば良いでしょう。
今日はしつけ糸の下ろし方、違いなどのご紹介でした。
手芸は、知識はもちろん、ちょっとしたひと手間が完成精度を高めていきます。しつけはその代表例ですね。
それでは素敵なハンドメイドをどうぞ・・・