人気手芸「手作りがま口」、口金の選び方と紙紐の入れ方のコツ

皆さんこんにちは
ハピメイド手芸教室のmichiyoです。
手芸イベントなどへ出かけても、必ずと言っていいほど見かける「手作りがま口」のブース。
年配の方はもちろん、若い方にも人気のアイテムですね。
私も、毎年頼まれていくつか作製しています。
人気の理由は何といってもその手軽さにあるでしょう。
「何か手芸を始めたいけど、何がいいかなー」という方にはもってこいではないでしょうか。
二つ折りタイプでしたらミシンはおろか針糸さえも不要で、少しばかりの布と口金さえあれば、だれでも簡単に作成できます。
今日はそんな手軽な手芸「がま口の作り方」についてご紹介しましょう。
がま口には魅力がいっぱい
パチンという音が何とも心地よいがま口。小銭入れや印鑑入れ・財布・眼鏡ケースのような小さなものから、ポーチ・ポシェット・バッグなど大きなものまで身近なものがいろいろ作れます。
「がまぐち(蝦蟇口)」はそのネーミングから、日本特有の物と思われがちですが、実際は明治時代に西洋から伝わってきたものだそうです。
ものすごく歴史のあるものと思っていましたが、そうでもないのですね・・
日本でいうところの「口金」は英語では「フレーム」と呼ばれます。そのため「frame purse」や「frame clutch」などで検索すると、西洋風?の「がま口財布」が探せますよ。
必要な材料・道具はこれだけ
必要な材料・道具
- 生地
- 口金
- 手芸ボンド
- 紙紐
- ハサミ(生地の裁断用)
- はめやっとこ(マイナスドライバー・目打ちで代替可)
- つぶしやっとこ(ラジオペンチで代替可)
手芸ボンドは、極細タイプで乾くと透明になるものが良いでしょう。私の周りではこれが人気です。完全に固まるまで時間がかかりますので不慣れな方にも向いています。
KAWAGUCHI 極細ノズル手芸ボンド 70g
紙紐は、口金を購入すると付属されている場合が多いです。無い場合はネットでも購入できますし、ホームセンターでも探せます。
「やっとこ」は、あれば確かに便利なのですが、本格的にいくつも作製するのでなければわざわざ用意することはないでしょう。マイナスドライバーとラジオペンチがあれば大丈夫です。
また手芸店ではがま口専用のヘラや、傷のつかないペンチも探せます。
生地は、ものによって厚手や薄手で使い分けます。必要により接着芯で張りを付けたり、ドミット芯などでクッション性を持たせると良いですね。
口金については後程詳しく紹介します。
初心者にも簡単ながま口の作り方
がま口ポーチや財布の作り方は、今はネットでも簡単に探すことが出来ますよね。
【作り方の手順】
- 布を型紙を使って裁断します。
- 袋状に縫製します。(2つ折りタイプの場合は、折りたたむだけでOK)
- 口金にボンドを付けて袋口をはめこみます。
- 取れないように隙間に紙紐を詰めて、リベット脇の角4か所をペンチでつぶします。
簡単なものでしたら乾かす時間は除いて、30分もかからずに完成します。
たったこれだけの工程なのですが、いざ作ってみると何だかしっくりこないことがあります。
その一番の理由は、口金の選び方と型紙による問題だと思います。
やはり最初は、材料やレシピがしっかり準備されているがま口教室や、入門本などを参考にされるのが良いでしょう。
下記の2冊は、特におすすめながま口作りの専門書です。
どちらもたくさんの見本が記載されていて、いろいろ作りたくなっちゃいますね。
もちろん型紙も付属で、それぞれの作製手順やノウハウが分かりやすく紹介されていますよ。
上記は何れもブームだった2013年に発売された本ですが、今でも人気の本です。
「がまぐちの本」には39種類もの型紙が付いていて、それぞれの手順や作り方のポイントが細かく解説されています。
「がま口がいっぱい」には33種類の型紙に加え、型紙の簡単な修正方法やオリジナル型紙の作り方も記載されています。
また下記は2016年発売の本ですが、がま口の他にもいろいろな口金(アルミパイプ、ベンリー、バネ口金など)の作り方が学べます。
大きなバッグを作製したり、今後バリエーションを増やしたい方にはおすすめの一冊と言えるでしょう。
口金の選び方
なんといってもがま口の命は「口金」と言って良いでしょう。
お気に入りの生地と合体した時点で、何だか着物で正装した時のような凛とした表情に生まれ変わります。
百均ショップでも口金は購入できますが、どうしても全体に柔らかく、ひずみが生じやすいです。
形にはなりますが、経験上おすすめは出来ません。
安さゆえ、より手軽に始められるきっかけ作りには良かったかも知れませんが、「手作り品は所詮こんなもの」と思われるのであれば残念ですね。
しっかりしたメーカー品の方が作りやすくもあり、既製品のように長持ち出来ます。
下記は、先の本でも紹介されているおすすめの口金メーカーです。
せっかく作るのでしたら、これらの口金を使用すると安心ですね。
丸型・角型・くし形・変わり型などの形があり、他にもメッキの違いなどたくさんの種類があります。
タカギ繊維は手芸キットなどをたくさん取り扱っており、シュゲールでも購入できます。楽天ショップもありますよ。
パナミ手芸用品専門店 タカギ繊維
紙紐のはめ方
がま口を上手に作成する最初のポイントは、しっかりした口金を選ぶことと、それに合った型紙で裁断することと書きました。
制作時では、やはり口金と袋との合体が最大のポイントとなるでしょう。
コツとしては、先ずボンドを塗る前に、袋口がしっかり嵌るかリハーサルをしておくことですね。この時点で紙紐の長さや袋口の形も整えておきましょう。
紙紐は一度開いてほぐしてから巻きなおすと、口金の溝にフィットしやすくなります。
隙間が大きい場合には、口金を狭めるのではなく、紙紐を重ねて巻いて太くします。逆の場合も同じように紙紐を小さくして巻きなおします。
袋の大きさによっては、数か所糸で布端に止めておくと作業しやすくなります。
また、紙紐は奥まで押し込まずに、縁ぎりぎりで止めるイメージで良いです。
「完成時に内側から覗くと紙紐が見えても良いの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかも知れませんね。
がま口ポーチの作り方にもいろいろな方法がありますが、市販品を見ても分かるようにほとんどは、この方法で作製されています。
下記の断面図でいうと①の方法になりますね。
どうしても紙紐を見せたくない場合には、②のように生地の中に縫い込んでも良いです。
これは、最初に中表で袋を作製し、紙紐を袋口に縫い付けた状態で表に返しています。
後は紙紐がしっかり袋口に来るように整えて、数か所仮止めします。
下記は『Hoshimachi』さんが公開している、がま口ポーチの作り方の動画ですが、分かりやすかったので紹介しておきますね。
最も手軽な手芸のひとつ「がま口ポーチ」。
皆さんもお気に入りの生地の端切れが出来た時にでも、手作りして見て下さい。
それではまた・・