生成り、白、オフホワイトの違い。本来の生成りや生機の意味とは?
皆さんこんにちは
ハピメイド手芸教室のmichiyoです。
先日知人より、「生機(キバタ)って書いてある生地を購入しようと思うんだけど問題ない?」というご相談がありました。
用途を聞けば、マスク用として使用したいとの事。
エッ、生機(きばた)ってネットで売ってるの?
という疑問と共にサイトをのぞいて見ると確かにマスク用と書かれて小売りしています。
なるほど、今はガーゼも入手困難となっていますし、生地自体も貴重な資源となっていますので、何でもありなのですね。
ほんと、手芸店は行列だし、ネットショップの生地屋さんもどこも大賑わいです。
マスクに最適な生地は何?
生機の説明は、後述しますが、その前に布マスクの話を少々…
「マスクに最適な生地は何?」という旬なネタは私も書きたかったのですが、あいにくそこまでの知識は持ち合わせておりません。
私も数十種類の生地や不織布(型紙用)の持ち合わせがあり、実際いくつも作ってみました。
綿や麻などの天然繊維に始まり、織り方も定番のガーゼ、シーチングやブロードなどの平織や、はたまたニット系の素材など・・
自分なりには、作りやすい生地、形の安定する生地、かけていて楽な生地など好みはありますが、ただ作ることはできても肝心の効果を検証する術などありません。
少し前(2020年4月)にアメリカの研究チームが行った実験結果が発表されましたが、やはりこうした専門機関でないと検証は難しいですよね。
さてそれでは本題の生機の解説です。
生機(キバタ)とは何?
生機とは生地になる最初の工程の状態のモノです。
織物(布帛)はタテ糸とヨコ糸で織られていますが、こうして織られた最初の状態が生機です。
たとえばメーカーではこの生機を何百反も準備しておいて、市場の動向を見ながら水色を30反、ピンク色を20反などという感じで染色を行います。
私もかつて大量の生地が欲しかった時にはこの生機を確保していました。
実際は精錬(セイレン)、漂白などいくつもの工程を得て、私たちが普段目にするような生地となって店頭に並びます。
つまり生機は色が付いていないのはもちろん、糊が付いていてバリバリだったり、カス(例えば綿カスなどの不純物)が付いていたりします。
とはいえ私も生機は一種類しか見たことが無いのですが、業者さんのお話によると生機でも随分質感が異なるものがあるそうですよ。(織り方が異なるので当たり前ですけどね)
また生地や糸などこういう加工前(自然に近い風合い)のものを「生成り(キナリ)」と呼びます。
そう、今ではすっかり色の名前として定着していますが、元々はそういう状態を指していたのですね。
生成り、白、オフホワイトの違い
ちなみに生地や糸って同じ白系といっても、微妙に色合いが異なるものがありますよね。
生成りは、オーガニックコットンに代表されるようなナチュラルなカラーをイメージすれば良いでしょう。と言っても素材によって薄めの色から濃い色までいろいろあります。
また未晒(みざらし)と表示されていれば、漂白していないことを意味しますので生成りと同じとイメージできます。
一方、晒(さらし)とは漂白でより真っ白に近付けたものをいいます。見方によってはちょっと青みがかかったようにも見えます。
またオフホワイトとは純白に対し僅かに混じりけのある白をイメージすれば良いです。
見本帳などによっては下記のような記号で書かれていることもありますね。下へ行くほど白くなります。
- KN(生成り)
- OW(オフホワイト)
- KW(蛍光ホワイト)晒白
今日は、生機の意味と白色の違いについてのご紹介でした。
それでは素敵なソーイングライフを・・・