熟練者ほど間違えているかも!? 職業用ミシン上糸のかけ方
皆さんこんにちは
ハピメイド手芸教室のmichiyoです。
下手に知識があると説明書もろくに見ず、誤った使い方をしてしまう・・・というのはどんな世界でも往々にしてあるものですね。
今日は、ミシンにまつわるそんなお話です。
職業用ミシンと言えば専門家か、そうでなくてもある程度ミシンに慣れた方が使用していると思います。
おそらくこれまで色々な経験を積んでいる方が多いことでしょう。
今日紹介するのは、そんなミシンの精通者にありがちな上糸のかけ方の失敗例です。
JUKIのシュプールシリーズをお使いの方で、下図の糸案内に糸を通していない方はいらっしゃいませんか?
JUKIのSPUR TL-30DX、TL-30SP、TL-30(TL-25シリーズも同じ)をご使用の方は要注意です。
一つ目の糸案内のかけ方(糸の通し方)は、糸のよりの強さなどによって変えても構いませんが、この二つ目の糸案内(オレンジ丸)へは通した方が良いです。
経験者の方には今更説明するまでもありませんが、糸のかけ方は糸調子に大きく影響します。
メーカーの指示に従い正しくセットしましょう。
もちろん取扱説明書にも下記のように記載されていますよ。
ここを通さない方は、以前のTLシリーズを使用していた方や、サブテンション付きのミシンと併用されている方に多いと思います。
旧TLシリーズの上糸のかけ方
JUKIの旧TLシリーズ(TL-82、TL-90、TL-90S、TL-96、TL-98、TL98DX、TL98S、TL98SP)
今でも活躍している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これらのモデルの上糸のかけ方は、下記のようになっていました。
最初の糸案内から糸調子ダイヤルまでは、そのまま真っすぐ下していましたよね。
※JUKIの方のご説明によると、旧TLシリーズと新TLシリーズでは糸調子器の部品仕様が違うため、糸掛けの手順も変わっているそうです。
サブテンション付きミシンの上糸のかけ方
サブテンションとはJUKIでは第一テンションとも呼ばれていますが、下記の画像のものです。
工業用ミシンには当たり前についている機能ですが、糸を安定させるパーツとして最近は一部の職業用ミシンにも付いています。
これがあると撚りの強い糸などでも、糸が暴れることなく高速で縫えますよね。
JUKIで言えば、SL-700EX、SL-300EX、TL-2200QVP Miniに標準でついています。
ちなみに興味のある方は、後付けすることも簡単に出来ますよ。
詳しくはサブテンションの付け方の記事を参照ください。
そしてサブテンション付きのミシンは、下記のようにサブテンションから糸調子ダイヤルまで直で糸掛けするようになっています。
先程の天秤の下の糸案内には通しません。
※SL-700EX HY-SPEC(ハイスペック)は、厚地の縫製力を高めたモデルで中間部に専用の「マジック糸掛け」が付いています。小山ミシン商会さんのオリジナル製品ですが、太糸を使う方にお勧めのパーツです。
ここまでは、すべてJUKIのお話。
ちなみにジャノメやシンガーではこれを「プリテンション」と呼んでいますね。
ジャノメの職業用ミシンにはすべて標準で付いています。(800HX、800DB、783DX、783DB、780DS、780DB)
こちらも取扱説明書にはJUKIと同じように直で通すようになっていますね。
同じく、SINGERの職業用ミシンにも標準でプリテンションが付いています。(103DX、103α、103β、PRO229)
ブラザーの職業用ミシン(Nouvelle 470、270)にはサブテンション(プリテンション)がありませんが、取扱説明書では下記のように途中で糸案内を通すようになっています。
現行のシュプールと同じ感じですね。
いかがでしたか?
皆さんの使用機種は正しくセットされているでしょうか・・・
長年職業用ミシンに触れてきた方ほど、間違えやすいと言えますよね。
普段はそんなに感じないけれど、特殊な素材の時糸調子が合わない方は、かけ方を間違えているかも知れませんよ。
マニュアルなんて細部まで見ない方がほとんどだと思いますが、ご参考まで。
それでは素敵な手芸ライフを・・・