生地に見られる「ワッシャー加工」「ウォッシュ加工」「ウォッシャブル加工」の違いはご存知ですか?
皆さんこんにちは
ハピメイド手芸教室のmichiyoです。
お洋服作りの楽しみのひとつに生地選びがありますよね。
生地探しは、パッと見た目の直感で選ぶのも良いですが、加工の意味を知っておくとデザインと機能とがマッチしたものが作れます。
ところで、たまに「ワッシャー加工を施した生地」と言うのを見かけます。
似たようなものでは「ウォッシュ加工」「ウォッシャブル加工」などがありますが、これらは全く異なるものです。
みんなそれぞれ洗濯(wash)から派生した用語なのですが面白いですね・・
今日は、それぞれの違いについてご紹介します。
いろいろある生地の加工
生地には機能性を高める目的や、風合いなどを変える目的で様々な加工があります。
たとえば機能性を高める生地でしたら、撥水加工・UVカット加工などが誰でも知っているメジャーな加工ですね。一方、ワッシャー加工などは機能性と言うよりは風合いを変えるなど、おしゃれ感を楽しむ加工と言えるでしょう。
【機能性を求める加工例】
- 撥水加工
- 防水加工
- UVカット加工
- 防縮加工
- ゴム引き加工
- 帯電防止加工
【風合いを変える加工例】
- ワッシャー加工
- フロック加工
- ラメ加工
- シルキー加工
ワッシャー加工とは
ワッシャー加工とは、ひと言でいえば「生地に洗いざらしのような自然な風合いを持たせる加工」を呼びます。
シワが似合う生地と言えば、誰しもが思い浮かべるのが麻ではないでしょうか。
アイロン仕立てのパリッとしたワイシャツも素敵ですが、麻のようなナチュラルな風合いはカジュアルな日常のシーンではとても活躍します。
アイロンがけしなくて済むのもメリットと言えるでしょう。
ワッシャー加工された生地は、普通地だけでなく、ダブルガーゼやナイロンオックス、カットソーなど、いろいろなバリエーションがありますので、それぞれのシーンでおしゃれなアイテムが製作できます。
よく似たもので、シワ加工があります。シワ加工の場合は凸凹のあるローラーで無理やり立体感を持たせています。その為お洗濯やアイロンを繰り返すと徐々にシワは無くなってきます。
ちなみにワッシャー(washer)は洗濯機の事です。
具体的には、工業染色用洗浄機で回転させながら洗われるためこのような名称になっています。
車の場合はウォッシャー液などと表記されますが、生地の場合はなぜかワッシャーが一般的です。
ここで少々ややこしいのが、「ウォッシュ加工」「ウォッシャブル加工」との違いです。
本来同じ発音なのですが、表記により意味が異なってきます。
ウォッシュ加工とは
ウォッシュ加工と言う表記を見かけるのは主にデニムなどでしょう。
こちらはシワとは関係なく、風合いを持たせるために色落ちさせたものと考えれば良いでしょう。
デニムは色落ちを楽しむものであり、元々は濃い藍色のものも経年により色あせてきます。
最初から古着のように見せかけるものも人気ですね。
デニムに関して言えば、市販されているものの殆どはウォッシュ加工がされており、逆に「ノンウォッシュ」の方が珍しくなります。
また最近は、ワンウォッシュ加工という表現も見かけるようになりました。
ワンウォッシュ加工とは、文字通り一度だけ水通しをするものですが、帆布や麻などでは、先に説明したワッシャー加工と同じようにシワを持たせる意味合いで使われている場合もあります。(この辺りがややこしいところです)
ウォッシャブル加工とは
こちらは本来お洗濯できない生地を水洗いできるようにする加工です。
たとえば絹や毛などは、水に弱い素材で、普通にお洗濯を試みると無残な姿となります。
これらを回避させるのがウォッシャブル加工です。
もちろん、洗濯機をガンガン回して良くなるわけではないのですが、今どきの洗濯機にある手洗いモードくらいなら大丈夫になります。
具体的にはサンシルク加工、サンフォライズ加工など生地の素材によって様々な製法があります。
今日は、「ワッシャー加工」「ウォッシュ加工」「ウォッシャブル加工」の違いのご紹介でした。
それでは素敵なソーイングライフを・・・