ボンドで作るレッスンバッグ(裁縫上手)は耐久性も大丈夫なの?
皆さんこんにちは
ハピメイド手芸教室のmichiyoです。
手芸店でも販売されている布用強力ボンド。
コニシの「裁ほう上手」やクロバーの「貼り仕事」などの売れ行きが好調だそうです。
手芸ボンドは、カルトナージュや小物づくりでは使用するものの、ミシンを専門とする私にとってはあくまでも補助的なものです。
ところが近年、「ボンドだけでバッグが作れるよ!」と言うふれこみで、洋裁の苦手な方に人気があるようですね。
ミシンはおろか、手縫いさえする必要がない!?
なるほど、それではもはや裁縫とは呼ばず、工作感覚ですよね。
そこで誰しも気になるのが耐久性です。
お洗濯を繰り返したり、重いものを運ぶことも多いレッスンバッグでも、本当にボンドだけの貼り合せで大丈夫なのでしょうか?
入園入学グッズ専門店として、これまで2,000人以上の方にバッグ類を提供してきた私が、ボンド100%のレッスンバッグについて検証してみました。
ミシンを使わないバッグ作りに挑戦
今回は、入園グッズの定番「レッスンバッグ」を作ってみます。
おそらくこれで問題なければ、巾着類もOKでしょう。
なお「はじめて入園グッズを作製する」という多くのケースを想定して、主人に作ってもらいました。
主人はミシンなども全く経験がありません。
とはいっても、手抜きで作っては意味がないので、専門家の方に趣旨を説明して最適な作製方法について予備知識を得ます。
今回使用するのはコニシのボンドです。
コニシは言わずと知れたボンドの専門メーカーで、実は手芸用接着剤だけでも10種類以上販売されているんですよ。
アイロンの役割は、プレスと言うよりは、熱で水分を飛ばすことにあります。
通常だと完全にくっつくために24時間ほど放置して欲しいのですが、バッグのように工程が分かれる場合は、そんなことを言っていると何日もかかってしまいますからね・・
都度アイロンを当てることにより、すぐ次の工程に行っても大丈夫なくらいには固まります。
但し完成後は、直ぐにストレスを加えないようにじっくり時間をおいて下さい。
なるほど良く分かりました。
ボンドの予備知識を吸収したところで、早速作ってみましょう。
せっかくですので、作り方のレシピもボンドメーカーから出ているものを利用してみます。
コニシは表地のみ、クロバーは裏地やマチ付きのレシピとなっています。
さすがにクロバーは手芸専門メーカーなだけあって、より実用的になっていますね。
でもその分、主人も難しそうな顔をしていましたので、今回は簡単そうなコニシのレシピを基に作成します。
先ずは裁断作業から。
レシピ通りに裁断すれば問題ないのですが、出来れば生地の両端(耳)を左右に見て、縦長に裁断してあげて下さい。(生地を70センチ用意する)
生地の無駄は出来ますが、布はタテ方向に伸びにくい性質がありますので、より丈夫なバッグができます。
マットとロータリーカッターがあれば便利ですよ。
カットしたら、アイロンで折り目を付けていきます。
ここで手抜きをすると、後々後悔します。
特にボンドの場合は、何度も剥がしたりできませんので、折り目にしっかり精度を出して一発で位置決めできるようにしましょう。
アイロン定規を使用するか、なければ代用品を自作すると良いでしょう。
次にボンドを塗ります。
薄めにむらなく全体に塗布します。
「裁ほう上手」の場合は付属のヘラを使用します。ちなみに「貼り仕事」は先端ヘッド部分で伸ばすようになっています。
ジェル状ですが粘り気が若干ありますね。印象としては木工用ボンドと比べると少し伸びにくいような気がします。
透明なのは良いのですが、見る角度によっては塗った所の見分けがつきにくいです。
強度に影響しますので、塗りこぼしのないように行います。丁寧に且つ素早く行いましょう。
あとはレシピに従い、アイロンを当てながら作業を進めます。
持ち手の所は面積も少ないので、特に念入りに接着しましょう。
折り返したところも、しっかりとアイロンで押さえます。
そして完成。
所要時間は裁断も含め、わずか1時間半程度です。
慣れた方ならミシンの方が断然早いと思いますが、これでしたら未経験者でも気楽に短時間で出来るでしょう。
近くでまじまじと見ない限り、パッと見では縫製したバッグと変わらない仕上がりです。
裁ほう上手の容量は、17g・45g・120gのパッケージに加え、スティックタイプの計4種類が販売されています。
今回は17gを使用して、ちょうどレッスンバッグ1個が出来上がりました。
但し使う量には個人差がありますので、45gを用意すると安心でしょう。
ボンドのみで作ったバッグの耐久性はどうなの?
それでは、最も気になる耐久性を見てみましょう。
まずサイドの面は2つ折りですので、生地端がそのまま未処理です。
普通はロックミシンやジグザグ縫いで、裁ち目をかがることにより、ほつれ止めの処理をしますよね。
切りっぱなしでも、ほつれないのでしょうか?
結論としては、糸は出てきますが、ボンドで固めていますので大きく解れる心配は無いですね。
出た糸はハサミで切り取って下さい。
以前、ピケでお洗濯の実験を行いましたが、ボンドの効果は意外なほど安定していました。
続いて、実際に中身を入れて見ましょう。
我が家で最も重い辞書(3.2㎏)を入れて持ち運びます。
おそらく、こんな思い物を運ぶ幼稚園、保育園児は日本全国、どこを探してもいないでしょう。
底は一枚仕立ての為、破けない限りは大丈夫で、不安なのはどうしても持ち手になります。
お部屋をうろうろした限りでは、全く大丈夫ですね。
ちょっと調子に乗って、主人が外でバケツのようにグルグル回して見ました。
20回ほど回して見ましたが、万一外れたらどうしようという不安をよそに、外れるようなことはありませんでした。
ただ、持ち手には相当のストレスが加わりましたので、やはり部分的には剥がれています。
使用頻度によっては、このままストンと抜ける可能性はあります。
かなり意地悪なテストでしたが、予想以上に強度があることが分かりました。
剥がれた部分は再び接着すれば修復可能であり、こまめに確認しておけば十分利用できる範囲と言えるでしょう。
洗濯については、1回の評価しか行っていませんが、サイドの部分の糸が複数個所でていました。
但しこれは前述しましたように、カットすれば問題ない範囲ですね。不安な場合にはピケのようにして断面を固めてあげれば良いでしょう。
布ボンドを使ったバッグのいろいろ
ボンドを使ったバッグは、子供向けだけでなく、自分用としても作製する方がいらっしゃいます。
下記の本にはファスナーを使ったポーチなども紹介されていますよ。
金属のカシメを使用すれば補強も出来て、見た目も良くなりますね。
レシピも簡単で分かりやすいです。
一度何かを作ったら手芸と同じく、面白くて病みつきになるかも知れません。
ボンド100%バッグはアリ・ナシ?
今回、実際にボンドのバッグを作製して見て、実用性の高さに正直驚きました。
ミシンを持たない家庭が多い時代、こうしたモノづくりも十分アリだと思いますね。
布用の接着剤は、手芸店だけでなく、ホームセンターやスーパー、コンビニでも簡単に手に入ります。
入園入学グッズ作りの担当は、ママからパパへの時代となったかも知れません。
いや、夫婦で協力して作る光景も、また現代風で理想的なのかも・・
同じように工作感覚で出来るデコパージュと合わせて、オリジナルバッグを作るのも楽しいでしょう。
それでは、良いハンドメイドライフを・・・