カーテンの作り方(プロに習って手作りして見ました)
皆さんこんにちは
ハピメイド手芸教室のmichiyoです。
連日猛暑が続いております。
暑さや寒さ対策と言えばエアコンですが、同時に欠かせないのがカーテンですね。
今回はカーテンの作り方についてのご紹介です。
縫製の経験者なら共感いただけると思うのですが、布製品って完成品を見れば見よう見まねで大体のものは作製できちゃいますよね。
いつもなら私もそうするところなのですが、最近はこのブログを見てくださる方も増えているので、あまり想像だけでテキトーなことも書けません。
という訳で、今回はカーテンのプロにポイントをお聞きしながら作ってみました。
必要な生地数の計算方法や、綺麗に見せるコツなども分かりますのでご参考にして下さい。
今回監修していただいたのは、株式会社アバンティの佐藤さんです。
プライベート感満載のお写真ですが、Wave Saladというオーダーカーテンの専門店のWeb担当をしていらっしゃいます。
「社内で発生する余剰生地を何かお役立てできないか」と言うご相談を受け、そのご縁でご協力いただきました・・・
元々付いていたんですけど、直射日光が当たってボロボロになったので、随分以前に捨てちゃったんですよね・・・。
部屋側に普通のカーテンは付いていますので、窓側のレースを探しています。
それでしたら、ミラーレースという機能のあるカーテンが良いですよ。
UVカット機能があり、紫外線を防ぐので、肌だけでなく、家具や床なども守ってくれます。
あとは外からお部屋の中が見えにくくなります。
見えないのを良いことにさぼらなきゃいいけど・・・
今回アドバイスを元に選んだ生地がこちらです。
カーテン生地の準備(採寸)
手順はこんな流れです。
- スタイル(フラット、5倍ヒダ、2倍ヒダ)を決める。
- 窓枠を測ってカーテンの完成サイズを決め、縫い代分とヒダ分を足す。
●横幅の要尺=完成サイズ+縫い代+ヒダ分
●丈の要尺=完成サイズ+縫い代
手順1、スタイルを決める
スタイルと言うのは、下記のようにヒダ山をどうするかです。
既製品は1.5倍ヒダが多いです。
2倍ヒダはエレガントなスタイルですが、生地もたくさん使いますので、コストがかさみます。
絵柄を見せたいときはフラットに近い方が良いですね。
今回の場合は、元々カーテンが付いていたので、フックもそれを利用します。
フックは片側14個×2=28個ありましたので、ヒダも片側14個付けるように計算します。
●1.5倍ヒダで作製する場合
・ヒダ山1個あたり(2.5×2)+(1.5×2)=8センチ
・ヒダが片側14個なので8×14=112センチ必要
●2倍ヒダで作製する場合
・ヒダ山1個あたり(2.5×2)+(1.5×4)=11センチ
・ヒダが片側14個なので11×14=154センチ必要
ヒダは見た目だけでなく防寒、保温の目的がありますのでお部屋の環境に応じて考えると良いでしょう。
手順2、完成サイズを決めて縫い代とヒダ分を足す
完成サイズを決めるには、先ずは窓枠を採寸しましょう。
【横幅の採寸結果】
今回の場合はレールの実寸が262センチなので、余裕分(×1.05倍)を見て275センチです。
両開きの場合は2で割りますので、片側の完成サイズは137.5センチとなります。
縫い代分は左右で1.5×3×2=9センチ
それに先ほどのヒダ分112センチが加わります。
つまり横幅の必要数=137.5+9+112=258.5センチ(片側)となります。
【丈の採寸結果】
今回の場合は実寸が116センチです。出窓の下にすらないように1センチマイナスして115センチとなります。
これに上下の縫い代分が必要ですが、後ほど微調整しますのでここでは40センチほど余裕を見て準備します。
今回は元々のフックの個数に合わせるので、ヒダの間隔も割り算すれば自動的に決まりますね。
工場で製作する場合には、カーテンの幅でフックの数が細かく決まっています。
また2倍ヒダは1.5倍ヒダよりもヒダの間隔が狭いのでフックも多くなります。
フックはヒダの数分必要です。
ヒダの間隔を12~15センチほどになるように全体の長さから計算すると良いでしょう。
これで必要な生地が分かりました!
今回は、オーソドックスな1.5倍ヒダで作ってみますね。
家庭用ミシンでは、厚みがない方が縫いやすいでしょうから・・・
ところで、1.5倍ヒダでも両方で517センチ必要なのですが、計算すると1.88倍生地を使う事になります。ちょうど1.5倍にはならないのですね?
仰るように1.5倍ヒダ、2倍ヒダとは、使用する生地の量の事ですが、ストレートに比べて大体それくらい使うと言う目安です。
カーテン幅とヒダの個数によっても変わってきますので、事前に計算してから購入するとイメージ通りのカーテンになると思います。
カーテンの作製
生地をつなぐ
以前、広幅生地のご紹介をしましたが、一般的に売られている生地幅は広いものでも150センチ程度です。
中には3メートル幅を超えるような生地もありますが、かなり特殊なケースですね。
その為、市販されているカーテンはもちろん、オーダーメイドカーテンでもほとんどは途中でつないであります。
既成品を見ると、布端をかがりながら環縫いされているようですね。これはインターロックミシンで縫製されています。
一般のご家庭で保有されることは稀ですので、オーバーロックと直線縫いでも大丈夫です。
また、ロックミシンがない場合には、「くるみ縫い」などで対応されるのが良いでしょう。
なお、今回は生地をヨコ向きで裁断している為、つながずに1枚で作製できます。
特にレースカーテンなどの場合には、このようにヨコ向きで使うように作られていることがあります。
芯地を付ける
カーテンには、専用の芯地を付けます。
形を綺麗に見せるためにも必要なものですので、必ず付けましょう。
こんな感じのものです。
point! カーテンの芯地は専用と言っても、幅や厚みなどいろいろな種類があります。
またノーマルなタイプ以外にも、専用フックの付けられるポケット芯地や、ギャザーを寄せられる芯など便利なタイプもありますよ。
こういったものを利用すれば、簡単に作製することも出来そうですね。
芯地は、上部のヒダを付ける部分に挟み込みます。
①生地の裏(外側)に芯地を縫い付けます。
左右は三つ折り分(今回は3センチ)空けておきます。
縫製はコの字に行います。
point! 生地によっては縫いずれを起こします。事前にクリップなどで止めて縫いずれの無いように注意しましょう!
今回のレースでは、芯に比べ生地が先行する(縮む)傾向にありました。そのまま作ると幅が足らなくなりますので気を付けましょう。
②生地の両端を1.5センチで完全三つ折りします。
(ここではアイロンで押さえるのみで、縫製はまだしません)
③芯地の幅分でペタンペタンと下側に完全三つ折りします。アイロンでしっかり押さえます。
④芯地部分をコの字に縫製します。
point ! ここまで縫いあがった時点で、最初の計算通りの寸法があるか幅を確認しましょう。
(縮みが発生している場合には、次の工程でヒダの寸法を微調整する必要があります)
ひだ(プリーツ)を作る
⑤ヒダの折り曲げる部分にチャコペンなどで印を付けます。
(最初にヒダ分、次にヒダの間隔、ヒダ分、ヒダの間隔・・・の繰り返しです)
point ! ヒダの間隔=(全体の幅-ヒダの数×8)÷(ヒダの数-1)
⑥ヒダの部分をミシンで縫います。
チャコペンで引いたラインa-bを合わせて表から直線縫いします。次にc-dと繰り返します。
⑦山を2つ作って中央付近を1センチ程度縫いどめます。
止め方は縦でも横でもやりやすい方向で良いです。
⑧ヒダが完成したところで、一旦レールに吊るしてバランスを確認します。
イメージ通りです。ここまで出来ればゴールももう少しですね。
裾と横を始末する
⑨吊るした状態で、下側の丈を合わせます。
今回は出窓ですので、底を引きずらない程度に調整して、完全三つ折りします。
(カーテンの種類によっては重りを挟みます)
⑩横を完全三つ折りします。
(上部で折り返したところから下側を縫製します)
これで完成!
途中写真などを撮りながら、1日で完成しました。
今回はたまたまですが、チェック柄を選んだので裁断がしやすかったです。
生地が大きな分、取り扱いは難儀ですが縫製自体は難しいことは何らありません。
こういった大きなものを手作りする際には、机上の計算とは合わなくなる場合もありますので、要所要所で長さ等を確認すると安心ですよ。
縫製は職業用ミシンを使用しましたが、家庭用ミシンのパワーによってはヒダをたたくのはキツイかも知れませんね。
例えば2倍ヒダの場合、芯も合わせると4×6=24重を縫い合わせることになります。
特に厚い生地の場合には、普通三つ折りに変えるなどして薄くしてやると良いでしょう。
今回はWave Saladさんのご協力のもと、カーテンを手作りしてみました。
それでは素敵なソーイングライフを・・・