手作り日傘に挑戦。好きな生地でオリジナル日傘を作ってみよう

手作り日傘に挑戦。好きな生地でオリジナル日傘を作ってみよう

皆さんこんにちは

ハピメイド手芸教室のmichiyoです。

 

縫製代行業を名乗る私の元には、日々様々なアイテムのご依頼があります。

ミシンをお持ちでない方より、衣類や身の回りの小物制作を依頼されることが多いのですが、中には「キットを購入したのですが、作ってくれませんか?」といったレアなケースもあります。

エッ、手芸って作る過程が楽しいんじゃないの…といった疑問はありますが、皆さんそれぞれの事情がおありなのでしょう。

はじめて作るようなものでも大抵は何とか作れているのですが、中にはお断りするものが無い訳ではございません。

その中のひとつが「日傘」です。

手作り日傘については、私も以前から興味はあるもののこれまで作る機会がありませんでした。

もしかすると意外と簡単なのかも知れませんが、細かなノウハウは結構ありそうな気がします。

お断りしていた理由は、そんな未知の分野だったからですが、今年こそは何とか自前の日傘を持ちたいと手作りにチャレンジしました。

お気に入りの生地の日傘を持ちたい方、是非ご参考ください。

手作り日傘のスペシャリストに協力要請

普段からリメイクも手掛けている私ですが、傘作りは前述のとおり全くの初心者です。

このままだと、素人がただキットを作っただけのつまらない記事になりかねません。

そこで今回は、CASAリメイク作家のTammy(タミー)さんこと柴田民緒さんに助っ人をお願いしました。

実はトップ画像もTammyさんの画像をお借りしたものです。とっても素敵な日傘ですよね。

日傘リメイク作家の柴田民緒さん
日傘リメイク作家の柴田民緒さん

ところで日傘って世界中で使われていると思っていたのですが、どうやらアジアの一部だけらしいですよ。そんなこともTammyさんに教えていただきました。Tammyさんは日本の美しい日傘や着物の文化を世界中に広げるべく、多方面で活躍されているアーティストです。

Casa de Paraguas(カサ・デ・パラグアス)
公式サイト:https://www.casadeparaguas.jp/
柴田民緒さんのプロフィールはこちら

柴田民緒さんのリメイク傘

お店には、「形見の着物を日傘に作り替えたい」というようなお客さんが集まるそうです。生地の特徴を活かしながら細かく要望できるのもオーダーメイドならではの魅力ですね。

私も母から頂いた思い出の反物などがあるので、いつか作ってみたいです。

Tammyさんとは今回、はじめましての関係なのですが、サポートを申し込んだところ快くご協力頂きました。(厚かましくすみません!!)

日傘材料の選び方

手作り傘に必要な材料は、下記4点です。

  • 傘骨
  • 型紙
  • 生地
  • UVスプレーなど

傘骨と型紙はセットになって販売されていることもありますし、生地まで一緒になってKITとして販売されていることもあります。

私の場合は「お気に入りの生地で作りたい」という目的がありましたので、バラバラに購入しました。

それでは、Tammyさんのアドバイスと共に、選び方のポイントをまとめます。

骨組みの選び方

手作り日傘キットをネットで探して見ると、結構いろいろな種類があります。どれを購入して良いのか迷っちゃいますね。大きさや折りたためるタイプなど、好みで選べば良いのですが、似たようなものでも複数のラインナップがある場合がありますので、慎重に選びたいところです。

  • 持ち手:竹製 or 木製 or 籐製
  • 芯:木芯 or 竹芯 or 鉄芯
  • つゆ先:木製 or 金属製

▼Tammyさんからのアドバイス

細かなところでは、たとえば持ち手などは自分で接着するタイプよりもあらかじめ付いたタイプの方が入門者には作りやすいでしょう。

露先(傘の先端につく布を留めるための金具)は持ち手と同じ木製がバランス的に良いのですが、露先は割れることがあり、金属製の方が長持ちします。

あと商品によっては見難い説明書(言い回しや誤解を招くような表現、説明不足やイラストがわかりにくいもの)があるので注意が必要です。

 

頂いたアドバイスを基に今回選んだ傘骨がこちらです。折りたたみ式ではないのですが、柄の部分が少し伸縮するのがポイントです。

こちらは型紙が別売りなので忘れないように購入します。

生地の選び方

手作りの魅力は何といってもお気に入りの生地で作製できることでしょう。お洋服やバッグなどとお揃いで作製することも出来ます。

でも例えばワンピース向きの生地が日傘に向いているのかどうかは不安や疑問もあると思います。そもそも日傘の目的は直射日光を遮ることと紫外線を軽減することですよね。それにはどんな生地が向いているのでしょうか。

  • 色は白などの薄い色、それとも黒系の濃い色が良いの?
  • 生地は綿や麻などの天然繊維が良いの、それとも化繊が良いの?
  • 薄い生地、厚い生地どっちがおすすめ?
  • そもそもUVカットの生地ってあるの?

そんな疑問のアレコレはTammyさんのサイトに詳しく解説されています。

▼Tammyさんからのアドバイス

はじめて作製する場合は、一枚の生地でトライした方がトラブルは少ないです。但しあまりにも薄い生地は、光も透過するため日傘としては1枚では心もとなくもあります。

その場合はUVカット接着芯をお付けになった方がいいですね。接着芯を付けることで生地の補強にもなります。ただ接着芯を付けると生地が伸びにくくなるため、型紙よりも数ミリだけ底を大きめに(底を伸ばすイメージ)裁断されることをオススメします。

大きすぎた場合は縫製を一部やり直すことで修正できますが、小さい場合は生地を足すか、縫いしろ部分を小さくしなければならないので手間が増えますし、日傘の形状が基本的に生地を引っ張って露先を取り付けるものですので、生地を足す場合は、どうしても継ぎ目部分が弱くなってきてしまいます。そのため生地を足すのは最終手段として、できれば避けて頂くのが良いでしょう。

今回は元々私が作りたかったリバティのタナローンで作製します。

綿100%で風通しの良い生地です。但し化繊に比べると紫外線カットの効果は少ないです。

UVカットスプレーは使用しますが、せっかくですので補強も兼ねてUVカット接着芯を貼って見ました。

UVカットスプレーの選び方

ポリエステル素材など、それだけでも紫外線カット効果の高い素材もありますが、夏の必需品としてUVカットスプレーが一本あると便利です。

日傘のみならず、衣類やカーテンなども使えます。

▼Tammyさんからのアドバイス

UVカットスプレーの選び方のポイントというのはあまりないのですが、おそらく日本で家庭用で容易に手に入るタイプは数種類です。

汚れ防止のために撥水スプレーを併用される場合は、UVカットスプレーをかけた後、撥水スプレーをかけた方がいいです。撥水効果もあるUVカットスプレーも販売されていますが、少しコスト高です。

ちなみに、UVカットスプレーは使用と共に効果が薄れていきますので、1シーズンに最低1回はかけ直した方がいいです。久しぶりに使う場合は、その使用開始のタイミングでもいいかもしれません。

また、UVカットスプレーは撥水スプレー同様、吸い込むと人体や動物に影響がありますので、使用の際は必ず屋外で、人のいないのを確認し、風上の位置でスプレーをかけず、風下に立って、スプレー液を吸い込まないようにマスク着用でご使用ください。

UVカットスプレーはこちらを選びました。

日傘の作り方

それでは日傘作りにチャレンジしてみましょう。KITには説明書がありますので基本その通りに制作すれば大丈夫です。

生地の裁断

日傘の作り方(生地の裁断)

生地を型紙に合わせて裁断します。今回は接着芯を使用しましたので、先に貼ってから裁断します。

生地はタテ方向よりもバイアス(ナナメ方向)やヨコ方向に伸びやすい性質があります。その為お洋服作りなどに慣れた方は布目をタテに通すのが常識かと思いますが、傘の場合はヨコ方向に合わせます。

理由は露先の方向に伸ばすためです。

但し今回のように絵柄がタテ方向の生地を使用する場合は、当然ながら絵柄重視で制作しますので、タテ方向に布目を通します。生地の織り方などによって伸び方が異なるのですが、伸びない場合には少し大きめに裁断して微調整する必要があります。

裁断のポイントと必要生地数

●無地の生地や絵柄に方向の無い場合は、基本ヨコ向きに布目を通す。
→110センチ生地巾の場合、長さ120センチ必要。

●上下方向の絵柄の場合などは、タテ向きに布目を通す。
→110センチ生地巾の場合、長さ150センチ必要。
※型紙よりも若干大きめにして微調整する。

裾処理

日傘の作り方(裾の処理)

傘の裾(端)になる部分を完全3つ折りで処理します。

つなぎ合わせ

日傘の作り方(つなぎ合わせ)

8枚の生地をつなぎ合わせます。

生地によっては、縫いズレしやすいので慎重に行いましょう。

先ずは2枚ずつ縫製する方がやりやすいと思います。

日傘の作り方(つなぎ合わせ)

縫い代処理

説明書では、縫い代はジグザグ(ロック)をかけるようになっていますが、私は直線縫いで対応しました。

片側を5ミリで裁断、もう一方を15ミリで裁断します。長い方を3つ折りしながらかぶせる感じで折り伏せ縫いの要領です。

こちらの方がスッキリ仕上がるような印象ですし、ロックミシンを持っていない方も出来ますので、お好みでどうぞ。

日傘の作り方(縫い代処理)

これを繰り返して8枚がつながりました。ここまでくるともう一息ですね。

日傘の作り方(つなぎ合わせ)

露先・ベルト付け

露先を8ヵ所手縫いで付けます。ストレスのかかる所などでしっかり縫い留めましょう。

日傘の作り方(露先付け)

組み立て準備

日傘の作り方(菊座作り)

天紙、菊座を準備しておきます。

組み立て

日傘の作り方(組み立て)

天紙を入れて布を骨にかぶせます。

露先に生地を引っ張りますので、先端部分はぐし縫いで補強したあと、更にボンドで固定すると安心です。

仕上げ

日傘の作り方(仕上げ)

露先を対角順に差し込みます。

あとは所定の位置を縫い留め、ボタンを付けて完成です。

UVスプレーはお外でかけましょうね。

完成

手作り日傘でお出かけ

やっぱオリジナルのアイテムはテンション上がりますね。

お出かけするのが楽しみです。

日傘リメイクの依頼

日傘リメイク

最近は女性のみならず、男性からも注目を浴びている日傘。確かに熱中症防止の観点からサラリーマンなどにも有効なアイテムですよね。

早速息子からオーダー依頼が入りました(笑)

 

Tammyさんも理事を務めている団体に「日本日傘男子協会」があるのですが、これからは男性用としてもおしゃれな日傘が増えていきそうな予感がします。

思い出の着物で作るオリジナル傘や、お揃いの生地で作るペアの日傘など、今年の夏は皆さんも楽しんでみてはいかがでしょうか。

オーダーメイド日傘はこちら

 

それでは素敵なソーイングライフを・・・

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