ゼッケンの付け方(縫い方)まつり縫い、ぐし縫いどっち?
皆さんこんにちは
ハピメイド手芸教室のmichiyoです。
ふだんは縫製などとは無縁であっても、お子さんがいるとやむを得ず針仕事をする機会もあるかも知れませんね。
ゼッケンやお名前付けの作業も、その内のひとつでしょう。
私も子供のゼッケンは、何度か縫い付ける機会がありました。
体操着の名前をはじめ、部活動やマラソン大会など・・・。
特に息子の場合は野球をやっていましたので、背番号は大会の都度付け直していました。
結局、同じ番号をもらうんですけど、儀式だからしょうがないですよね・・・
ところでゼッケンの付け方にはいろいろな方法があります。
縫い方や、糸の選び方など・・・
それぞれに特徴があり、使い分けをすると良いですよ。
今日は、パターン別にゼッケンの付け方についてご紹介します。
先ずは決まり事がないか確認しよう!
ゼッケンの付け方に全国的な標準の決まりはありません。
「まつり縫い」だろうと、「並縫い」だろうと、手縫いじゃなくてミシンで縫っても構いません。
但し、学校やクラブチーム、又は連盟などの組織によっては付け方が決まっている場合があります。
そういう場合は、事前に通達があると思いますが、お子さんにも念押し確認すると安心ですね。
また団体競技などの場合は、特に指定が無くてもチームで合わせた方が格好いいですよね。
「襟元から何センチでまつり縫い」など保護者間で具体的にルールを決めると良いでしょう。
(ちなみに私たちの少年野球では襟元から10センチで左右の中心と場所を決めていました)
大きな子も小さな子もいるので、バランスよく決めましょう。
連盟、大会規定、各チームなどに取り付けルールがないか確認しよう!
付け方は使用期間、競技の内容で決めよう!
同じゼッケンでも使用期間によって、ベストの付け方が異なります。
例えば、自分の名前を記したものでしたら、卒業まで付けっぱなしかも知れませんね。
一方、野球の背番号などの場合は毎回返却するのが基本となります。
お洗濯を繰り返すような付けっぱなしのものでしたら、ミシンで付けるか手縫いの場合でもしっかりと縫い付けた方が安心です。
一方毎回返却する借り物のゼッケンの場合は、やっぱり簡単に外せる手縫いをおすすめしますね。
また競技によっても付け方は変わってきます。
マラソンなどの陸上は短時間なこともあり、4角だけとめる場合が多いです。
野球などの場合は競技中に取れるリスクも高まりますので、周囲をぐるっと一周縫い付けます。
縫い方は後程詳しく説明しますが、私はまつり縫いでとめていました。
でも絶対という訳ではなく、簡単な「ぐし縫い」で行っても問題はありません。
ここで言う「ぐし縫い」とは、並縫いの縫い間隔が細かくなったものと理解すれば良いですよ。細かく縫うのは時間がかかりますが強度は増します。
また柔道着などの場合は、更にとれるリスクも高まりますし、生地が厚いため縫うのが大変です。私も付けた経験はありませんが、業者へ依頼する方も多いと聞きます。
水着などのストレッチ素材の場合は特殊ですので、「失敗しない水着用お名前(ゼッケン)付けの方法とは」ご参考下さい。
・終わったら直ぐ外すのか、ずっと付けっぱなしなのか?
・プレー中に外れるリスクはどれくらいあるか?
ゼッケン縫い糸の選び方
使用する縫い糸についても少し気にしたほうが良いです。
一般にゼッケンをつけるのは、衣類の場合が多いでしょう。
衣類にもいろいろあって、ジャージのように良く伸びる素材もあれば柔道着のようにほとんど伸び無い生地もありますよね。
一方ゼッケンについては普通生地の場合が多く、この場合は伸びる生地に伸びない生地を縫い付けることとなります。
ゼッケン自体が伸びないのですから、縫い糸は普通のスパンなどでも大丈夫です。
木綿糸の場合は普通でも弱く、何十年も保管していると更に切れやすくなっていますので注意しましょう。
また野球のユニフォームに付ける背番号のように、ゼッケンの素材も同じ伸びる生地で作られている場合があります。
こうした場合には糸も伸びる糸(レジロンなど)をおすすめします。
ゼッケンの位置決め
先ずは子供に着用させ、バランスを見ましょう。
背中に付ける場合は、首からの距離とズボンに入ってしまわないような位置を確認します。
襟元からの高さに指定がある場合は、それに合わせます。
四隅を待ち針や安全ピンなどでとめ、出来ればしつけを行います。
しつけ糸については、ほどきやすいなどの特徴がありますが、持っていなければ普通の糸で代用して下さい。
ここで手抜きをすると、せっかく縫い終わった時に若干斜めになっていたり、部分的につっぱった状態にもなりかねません。
せっかく苦労して縫ったのに、やり直しはショックですよね。
もし1年以上外さないのであれば、くものすテープ(弱いアイロン両面テープ)を使うのが便利です。
くものすテープ
私もしつけはなるべくしたくないので、いつも利用しています。
こちらを使用すれば確実にバランスよく取り付け出来ますし、縫製も楽に行えますよ。
ミシンで縫う場合
ミシンで縫う場合には特に悩むこともないかと思います。
端処理のされていないゼッケン(ほつれてくる場合)は、端を2つ折りにして縫います。
(上記の画像は、あらかじめ2つ折りで縫製して支給されましたので、2重に縫ったように見えています)
取り外しをしやすいように考えるならば、縫い目のピッチを粗くするのも手ですね。縫い目の調整は「ミシンの縫い目の長さはどれくらいが良いの?」で詳しく説明します。
また伸縮性の高い生地を縫う場合などで目飛びになる場合には、ニット針を試すと良いでしょう。
周囲を手縫いする場合
端処理のされていないゼッケン(ほつれてくる場合)は、2つ折りにして周囲を縫います。
縫い方は、「まつり縫い」がおすすめです。
まつり縫いと言っても数種類がありますが、ここでは裾上げなどに使う「流しまつり」ではなく「たてまつり」を使います。
たてまつりと言うのは、別名「普通まつり」とも呼ばれています。
ゼッケンの端が生地にピタッとくっつくのが特徴です。
ここで、あらかじめ注意をしておきますが、ゼッケン付けの場合は、一般の「たてまつり」とは少し異なった付け方をします。
最初に「本来のたてまつり」、次に「ゼッケンやアップリケを縫い付ける際のたてまつり」を説明しますので、それを踏まえて読み進めてください。
たてまつり縫いの手順
【手順1】ゼッケンの裏から針を出します。(糸は目立つように赤色にしています。)
【手順2】すぐ下のウェアの生地を糸2本程度すくい、5~10ミリ程度先のゼッケンの裏へ針を出します。
【手順3】この動作を繰り返します。
【ゼッケン側から見た縫い目】渡した糸がゼッケンの下に隠れるイメージで縫います。
【ウェアの内側から見た縫い目】内側の縫い目は目立ちません
以上が本来のたてまつりです。
多くの手芸本等ではこのように解説されていますね。
でもこれは、まつり縫いの目的の「表から縫い目が目立たない」場合のテクニックです。
この場合は、ウェアの内側に来ますので、縫い目は目立っても問題なく、むしろしっかりすくった方がウェアを傷めなくてすみますね。
つまり【手順2】で説明した「2本程度すくい」の箇所は、もっと大きくすくってもらって結構です。
下記は、すぐ下のウェアの針を刺し、そのまま直接ゼッケンに針を通しています。
内側から見た場合の比較はこのようになります。
私も何冊か教本を持っていますが、実際こちらを「たてまつり」と解説している手芸本もあります。
前者(上図の左)には、内側から縫い目を引っかけにくいと言うメリットもあります。
後者(上図の右)は、素材を痛めにくいと言うメリットがありますし、何より不慣れな方にはこちらの方が簡単ですね。
それぞれ好みに合わせて行えば良いでしょう。
尚、取れるリスクが低い場合にはぐし縫いでも構いませんが、更に強くしたい場合には「本返し縫い」だとミシンと同じようになります。
伸びる素材の場合には、「半返し縫い」をおすすめします。
でもそこまで手間をかけるなら、やっぱりまつった方が楽でしょう。
【ゼッケンが伸びない場合】
糸はスパン、縫い方はたてまつり縫い
(又はぐし縫い、しっかり付けたい場合には本返し縫い)
【ゼッケンも伸びる場合】
糸はレジロン、縫い方はたてまつり縫い
(又はぐし縫い、しっかり付けたい場合には半返し縫い)
4角だけ手縫いする場合
こちらはマラソンなど、短期間で負荷のかからない場合の付け方です。
【手順1】まち針で4角を位置決めします。
【手順2】ゼッケンのコーナー付近に、ウェアの内側から針を出します。
【手順3】まち針を中心として何周か縫い、裏で玉止めし、まち針を抜きます。
【手順4】これを4ヵ所繰り返します。
ゼッケンの大きさにもよりますが、不安な場合には更に4角の間なども縫えば安心です。
以上、ゼッケンの取り付け方の解説でした。
慣れてしまえばどうってことないですが、初めての時は他の人の付け方も気になりますね・・・
それでは、運動会や部活動など、張り切って応援しましょう!!